2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K03488
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安中 さやか 東北大学, 理学研究科, 教授 (80620393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 晴子 琉球大学, 理学部, 教授 (40397568)
土井 威志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(アプリケーションラボ), 主任研究員 (80638768)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 積算高水温 / サンゴ白化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分野横断型研究として、サンゴ白化現象の指標として知られ、高水温状態の持続を表す日積算高水温がいつどこでどのように発生しているのかを明らかにすると共に、その予測可能性を調べる。特に、季節性に着目することで、影響を受けやすい海域やエルニーニョ現象などとの詳細な関連を見出し、サンゴの大規模白化現象との対応を整理する。さらに、全球海洋を対象とすることで、地球温暖化に伴う変化を広く調査する。 NOAAのOISST(1/4度、 日平均値)を用いて、沖縄周辺海域において、高水温現象と高水温偏差現象の特性を調べた。高水温現象は、水温が30年気候値の最高水温を超えた時に発生し、高水温偏差現象は、30年気候値からの水温偏差が、30年間の90パーセンタイルを超えた時に発生すると定義した。高水温現象は夏に発生するのに対し、高水温偏差現象は季節性はなく、1年を通して同様の発生確率となっていた。また、両者とも、近年、発生数が増加する傾向にあった。 また、サンゴマップ(https://www.sangomap.jp/)に登録されたデータをデジタル化し、サンゴ白化現象発生の季節・経年変化、および、地理分布を調べた。サンゴの白化は、夏に頻発し、近年、増加傾向が見られた。サンゴ白化の発生時期や発生場所は、高水温現象の発生とよく一致していた。 さらに、SINTEX-Fを用いて、高水温現象の季節予測を試みた。その結果、熱帯太平洋域で、ある程度の予測が可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
沖縄周辺海域の高水温現象とサンゴ白化との関係が見出されたとともに、モデルを用いた季節予測の試験的試みも実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、太平洋熱帯・亜熱帯域に拡張したデータ解析を行うとともに、モデルによる季節予測結果の解析を進める。
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Causes of Carryover |
予定していた対面での会合が延期となったため。
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