2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of estimation methods for subsurface structures based on the deepened understanding of strain seismograms recorded with DAS
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23K03521
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中原 恒 東北大学, 理学研究科, 准教授 (20302078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江本 賢太郎 九州大学, 理学研究院, 准教授 (80707597)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | DAS / 歪地震動 / エネルギー分配 / サイト増幅係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震波干渉法の成立に不可欠な条件であるエネルギー等分配状態において,歪テンソルの各成分へのエネルギー分配について理論的に考察した.まず簡単な2次元無限均質媒質から始めた.その結果,DASで測定されるある方向の軸歪には,P波よりもS波が多く含まれ,そのエネルギーの比は1/3(Vp/Vs)^3(Vp,VsはそれぞれP波速度,S波速度)であることが分かった.一方,せん断歪ではS波の寄与が大きくなる.また,軸歪はせん断歪よりも約1.2倍エネルギーが大きいことが分かった.次に3次元無限均質媒質について考察した.軸歪にはP波よりもS波が多く含まれ,そのエネルギーの比は,2/3(Vp/Vs)^5であることが分かった.せん断歪ではS波の寄与が大きくなる.また,軸歪はせん断歪よりも約1.4倍エネルギーが大きいことが分かった.2次元,3次元の媒質の双方に対して,有限差分法に基づきランダム媒質中の地震歪場を数値的に計算し,理論的な結果の検証も行った. 歪地震動を用いたサイト増幅係数の研究としては,京都の国道9号線におけるDAS観測データを精査し,近地地震のS波エネルギーの相対振幅をサイト増幅係数の指標として推定した.その結果,山地ではサイト増幅係数が小さく,盆地ではサイト増幅係数が大きいこと,断層を挟んでサイト増幅係数が急変することなどが分かり,サイト増幅係数は地形・地質構造と対応することを確認した.また熊本の国道3号線におけるDAS観測データを用いて,地震動予測にとって重要な浅部の地震波速度構造を推定した. 歪地震動のインコヒーレント成分を理解するため,予定より少し先行して,短波長不均質構造と歪波形のばらつきについて検討を始めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を遂行する上で大きな問題が生じなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画に従って進捗するように研究活動を粛々と遂行する.
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Causes of Carryover |
次年度以降に経済的余裕を持たせるため.
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Research Products
(5 results)