2023 Fiscal Year Research-status Report
海底および陸上堆積物調査に基づく、海を渡る大規模火砕流の流動・堆積様式の研究
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23K03527
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中岡 礼奈 神戸大学, 理学研究科, 助教 (40756673)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 火砕流 / カルデラ噴火 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、カルデラ形成に伴い発生した海を渡る大規模火砕流の流動堆積様式を明らかにすることである。火砕流が流走した条件(陸上および海上の距離)が異なる2種類の火砕流、鬼界カルデラの幸屋火砕流と阿蘇カルデラの鳥栖火砕流について、堆積物の観察や分析を実施しそれぞれの特徴を明らかにし、比較する。 今年度は幸屋火砕流については、給源近傍に位置する竹島と、遠方北部に位置する薩摩半島と大隅半島で堆積物の観察と試料採取を実施した。採取した試料は、火砕流の定置温度を検討するために段階熱消磁実験、噴火時のメルトの情報を記録している石基の含水量測定、堆積物の粒子配列を検討するためにAMS(帯磁率異方性)測定を実施した。鳥栖火砕流では、給源近傍のカルデラリムと北部遠方に位置する大分県、福岡県、山口県で堆積物の観察と試料採取を実施した。採取した試料は、AMS測定を行った。これらの成果は、これまで堆積物の観察などから研究が進められてきた海を渡る火砕流の流動堆積様式について、温度情報などの定量的なデータを併せた検討を導く重要な情報となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
陸上堆積物について、当初の予定通り2種類の火砕流堆積物について主要な近傍堆積物と遠方堆積物の調査を行うことができた。幸屋火砕流堆積物については古地磁気測定、含水量測定、AMS測定を実施し、古地磁気測定の結果については、日本地球惑星科学連合2023年大会で成果が発表できた。鳥栖火砕流堆積物についても、主に北方向に分布する堆積物について、給源近傍から遠方の複数地点で堆積物の観察をすることができ、またAMS測定を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
陸上堆積物につてい引き続き未調査の地域について堆積物調査および分析をすすめる。幸屋火砕流堆積物については、堆積物内で鉛直方向に構成物や堆積構造などが異なるため、下部から上部まで試料採取を行い分析も進める。 海底堆積物については、研究船の共同利用に応募し、次年度以降に調査が実施できるよう準備を整える。また、既に過去の調査で得られた幸屋火砕流の海底堆積物について分析を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、試料の観察のための顕微鏡類を既存の機器で代用したためである。次年度に必要に応じて、試料観察に必要な顕微鏡および周辺機器を購入する予定である。
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Research Products
(1 results)