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2023 Fiscal Year Research-status Report

Long-term correlation between Earth's background free oscillations and ocean gravity waves

Research Project

Project/Area Number 23K03550
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

須田 直樹  広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10222069)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords常時地球自由振動 / 海洋重力波 / 時系列解析 / 地球温暖化
Outline of Annual Research Achievements

本年度は常時地球自由振動と長周期海洋重力波に関する予備的な時系列解析を行った。2000-2017年の各月平均の常時地球自由振動のパワースペクトル密度(以下PSD)と長周期海洋重力波の波高の時系列データに対して時系列解析ソフトウェアProphetおよびdlmを適用して周期成分,長期トレンド,ランダム成分に分離した。2つのソフトウェアによるこれらの結果は整合的であった。常時地球自由振動と長周期海洋重力波の比較により,年周変動と長期変動について以下が明らかになった。(1) Mode-Noise PSDと南半球の長周期海洋重力波の高さの年周変動には強い正の相関(相関係数0.72)があり,北半球の夏にピークが見られる。(2) Noise PSDと北半球の長周期海洋重力波の高さの年周変動には弱い正の相関(相関係数0.41)があり,北半球の冬にピークが見られる。(3) 全期間ではMode-Noise PSDでは+4.04%の正の長期トレンドが,Noise PSDでは+14.0%の正の長期トレンドがあり,特に2010年以降にPSDが大きくなっている。(4) 長周期海洋重力波の波高には北半球平均では+0.665%の非常に小さな正の長期トレンドが,南半球平均では+8.70%の正の長期トレンドがある。これらより常時地球自由振動に関して注目すべき点は以下の通りである。(1)より,常時地球自由振動の励起には南半球の長周期海洋重力波の寄与が大きい。(3)より,常時地球自由振動の振幅は上昇傾向にあり,全球海洋波のパワーが近年上昇しているという最近の海洋学の知見と定性的に一致している。このことは常時地球自由振動の振幅が地球温暖化の指標の一つとなる可能性を示す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は次の4つの要素から構成される:(1) 広帯域地震計の連続記録の解析より常時地球自由振動(以下BFO)の振幅の時系列データを求める。(2) 長周期海洋重力波(以下IG波)の振幅の時系列データを求める。(3) 求められた2種類の時系列データに対して時系列解析を行う。(4) 常時地球自由振動の振幅の理論計算および観測との比較を行う。これらについての令和5年度の進捗状況は次の通りである。(1) 当初予定の70%の地震計記録についてダウンロード・前処理・スペクトル解析を行い,BFOの振幅の時系列データを求めた。(2) NOAAによるWAVEWATCH IIIの推算データからIG波の波高の時系列データを求めた。NOAAの推算データは長期にわたる抜けがあるので,新規にIG波を推算するためWAVEWATCH IIIを九州大学のスーパーコンピュータにインストールし,テスト計算を試みた。(3) 時系列解析のソフトウェアProphet およびdlmを用いて現時点でのBFOとIG波の時系列データを解析して,周期成分・長期トレンド・ランダム成分に分離し,それぞれについて比較した。(4) IG波によるBFOの励起計算を行うため,大気と固体地球のカップリングを考慮したモード計算プログラムのテスト計算を行った。

Strategy for Future Research Activity

「現在までの進捗状況」冒頭に記載されている4つの要素それぞれについての推進方策は次の通りである。(1) 広帯域地震計の連続記録は当初予定の70%をダウンロード・前処理・スペクトル解析を終えている。残りのデータについても同様に作業を遂行し,令和6年度前半に終了する予定である。(2) 新規にIG波を推算するためWAVEWATCH IIIを九州大学のスーパーコンピュータにインストールしてテスト計算を試みているが難航している。令和6年度前半は自力での計算を試みるが,うまくいかない場合は専門家の助力を乞わざるを得ない。その場合は当初計画になかった謝金が発生する可能性がある。(3) 時系列解析ソフトウエアProphetおよびdlmの使用については予定通り進捗している。令和6年度はこれらに加えてKFASも使用し,結果の整合性を検討する。(4) 大気と固体地球のカップリングを考慮したモード計算を行い,常時地球自由振動の励起計算に必要なすべてのモードの固有関数を計算する。また長周期海洋重力波による励起について定式化を行い,プログラムを作成する。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由:当初は地震波形データのダウンロード作業に対して謝金が発生する予定だったが,自動ダウンロードスクリプトを作成したことにより自動ダウンロードが可能になったため,謝金の支出が0となった。
使用計画:次年度も自動ダウンロードを行うため,ダウンロード作業に対する謝金の支出はない。その代わりに,海洋波推算のソフトウェアを九州大学のスーパーコンピューター上で実行することに関する専門知識の提供に対して謝金を支出する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 台風時の一次脈動の発生源と海洋波および海底地形の比較2023

    • Author(s)
      河上洋輝・須田直樹
    • Organizer
      日本地球惑星科学連合2023年大会
  • [Presentation] 大型ハリケーンで強く励起された一次脈動の発生源2023

    • Author(s)
      河上洋輝・須田直樹
    • Organizer
      日本地震学会2023 年度秋季大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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