2023 Fiscal Year Research-status Report
New Approach to Multi-Color Pressure Sensitive Paint Development with Reduced Interference between Luminophores
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23K03679
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
江上 泰広 愛知工業大学, 工学部, 教授 (80292283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 佑 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20402513)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 感圧塗料 / 複合センサ / 多変量 / 色素間干渉 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 衝突失活 |
Outline of Annual Research Achievements |
感圧塗料(PSP)を用いて流体現象を計測する際,模型に移動や変形が生じる現象では,カメラや励起光源などの光学系と模型の位置関係が変化し,圧力分布に計測誤差が生じる.そのため感圧色素に,発光強度変化を補正する参照色素を加えた複合感圧塗料の開発が行われてきている.最初期に研究された混合型の複合塗料は,感圧色素と参照色素を1つの溶液にして塗布したものである.しかし,異なる色素を混合すると色素間で光化学反応が生じ,発光強度の低下や光劣化が生じてしまう問題が報告されている.混合型複合PSPに生じる色素間の光化学反応は,蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)や衝突失活の他,光酸化などの光劣化機構が挙げられる.それらは色素間の距離やスペクトルの重なり,色素密度が重要なパラメータとなる.そのため本研究では光化学反応による特性低下を低減するため,色素の種類や色素濃度を変え,混合型複合PSPの発光強度や光劣化,圧力感度,時間応答性等の特性を調査した.その結果,長波長側で発光する感圧色素のPtTFPPのバインダ中の色素密度を下げることで,FRETや衝突失活の発生を抑制でき,短波長側で発光する参照色素の発光強度の低下や光劣化を低減できることが分かった.一方短波長側で発光する参照色素の色素密度の影響は長波長側で発光するPtTFPPのそれほど大きくはなかった.またPtTFPPの吸収スペクトルとの重なりの少ない発光スペクトルを持つ無機蛍光体のBAMを参照色素に用いることでも発光強度の低下を低減できた.これにより,従来の複合PSPと比較して,参照色素の発光強度の低下を1/3に,光劣化率を1/6に低減することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
混合型の複合PSPの光干渉による特性低下の主因が,蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)や衝突失活であると予測し,それらの発生を抑制するためにバインダ中の2つの色素の濃度を変化させたサンプルを作成し,特性試験を行った.その結果,長波長側で発光する色素(本試験ではPtTFPP)のバインダ中の濃度が,複合PSPの特性劣化に大きな影響を及ぼしていることを見出した.PtTFPPの色素濃度を低くしていくことで短波長側の参照色素の発光強度を大幅に低減することに成功した.また,長波長側色素の吸収スペクトルと短波長側色素の発光スペクトルの重なりが小さい組み合わせを用いることで,FRETによる短波長側色素の発光強度低下を抑制できることを確認した.また,参照色素を光安定度がやや低い有機色素から無機蛍光体のBAMやBAM-Gにすることでさらに安定的な複合PSPを作成することができるようになった.以上のように予備調査で予測した特性低下の原因とその対策法が適切であったことから,予定以上の研究成果を得ることができたと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
混合型複合PSPの色素間干渉による特性低下を抑制するには,色素間の距離を遠ざけることが有効であることが明らかとなった.本年は主に長波長側で発光する感圧色素(PtTFPP)のバインダ内の色素密度を低くすることによる効果を調査した.今後は,参照色素側の無機蛍光体に表面処理を施すことで色素間の距離を遠ざけることによる効果を検証する.また参照色素側に光安定性の高い無機蛍光体を用いているが,より塗布性や分散性に優れた有機色素を用いて安定的な混合型複合PSPを作成するための調査を行う.さらに,実証試験を行い,作成した混合型複合PSPを評価するとともに,問題点の抽出を行いさらなる改良につなげる.
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Causes of Carryover |
購入予定していた試薬の納入期限が年度内に収まらない可能性が高かったため,次年度に繰り越しました.
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Research Products
(9 results)