2023 Fiscal Year Research-status Report
4D計測に基づく可燃性固体の熱分解機構解明へのアプローチ
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23K03697
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
大徳 忠史 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (40452049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 俊 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (90197773)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 木質バイオマス / 高速X線CT / 熱分解 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
木質系バイオマスを対象にバイオマスエネルギー変換技術への貢献を目指している.実用の木質バイオマスは,ある程度の大きさを持つ「熱的に厚みを持った」固体で,非定常性の強い熱分解や燃焼をする.本研究では,放射光X線を利用してリアルタイムで非破壊可視化計測することにより内部構造の変化,密度分布の変化を定量化することで,木質系バイオマスの熱分解および燃焼現象において内部の非定常変化に着目し本質的な仕組みをとらえることを目的とする.令和5年度は,SPring-8・BL20B2ビームラインで,熱分解過程にある木質系バイオマス試料のX線μCTによるリアルタイム3次元計測と重量変化の同時計測のための装置開発と実験の試行を行った.その結果,現時点で1CTスキャン当たり約8秒という,重量計測サンプリング周期1秒という高速計測を実現している.なお,木質系バイオマス試料の加熱は,ランプヒーターからの光熱直接照射による高熱流束条件での加熱方式を適用した.現在は3次元画像への再構成およびデータの解析を行っている.また,本研究では熱分解に伴い試料が変形していくため再構成により像を成さない場合があり得る.時間分解能を向上させるための予備調査を行い,次期ビームタイムで実現可否について実験を行う予定である.ラボではシュリーレンシステムを高感度に改良した.高熱流束場での木質バイオマスの熱分解ガスの挙動および熱的密度変化について令和6年度の第61回日本伝熱シンポジウムで発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載の年度研究実施計画を遂行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の実施計画がおおむね順調に遂行されているため,引き続き当初の計画通り実験室での基礎データ収集とSPring-8でのリアルタイム非破壊可視化計測を継続し,種々の条件下での計測を進め,熱分解現象を定量的に解明する. SPring-8を利用するにあたり,高温雰囲気中での実験では,計測のため試験部自体の熱変形や温度場の均一化などの課題があり装置の改良を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス5類移行後も,国内外の研究発表のための移動について感染対策の観点から慎重に状況を見つつ,旅費の使用が想定より少なくなった. SPring-8では実際に検証および実験を行うことができた.なお,SPring-8で行う実験研究は公募申請する必要があるが,状況よっては,優先課題としての申請も検討している. 研究は順調に遂行しており,装置の試作・改良のほか,成果発表や調査研究として国内および国際会議への参加に際して,特に海外での発表においては為替の影響は重大であり,繰り越した予算の使用が必要になる.
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Research Products
(3 results)