2023 Fiscal Year Research-status Report
鉄鋼業界におけるコークス代替固体バイオ燃料活用によるCO2削減への貢献
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23K03724
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
村上 高広 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (70335107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 諭 近畿大学, バイオコークス研究所, 講師 (10708621)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 固体バイオ燃料 / バイオマス / 固形化 / コークス代替 / 燃料比 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、未利用バイオマスである杉や竹などを固形化し、化石資源の石炭から製造されたコークスに代わる燃料比を高めた固体バイオ燃料の製造技術の開発を目的とする。方法としては、未利用バイオマス原料を熱処理することで、燃料比の低いバイオマス原料から1.0以上の燃料比をもつ固体バイオ燃料の製造を実現し、産業炉の高温・高圧環境下においても長時間燃料形状を維持できる高密度な固体バイオ燃料の適用を目指す。 本研究において、まず、杉、竹のバイオマス原料を1mm以下となるよう、粉砕・粒度調整した。調整した試料を用いて、小型バッチ式固体バイオ燃料製造装置により、各原料の固形化実験を行った。方法として、バイオマス試料を成形容器に充填し、所定荷重をかけたまま所定温度まで昇温させた。結果として、杉、竹試料ともにφ4mmの固体バイオ燃料を作成することに成功した。また、熱天秤を用いて、原料および固体バイオ燃料の燃料比を算出し比較した結果、杉、竹試料ともに固形化させたことで、燃料比は顕著に向上することが分かった。さらに、固形化における温度の影響を検討した結果、110℃で固形化するよりも190℃で固形化させた方が燃料比は向上することを明らかにした。ただ、原料から直接固形化させた場合、本実験で実施した最大190℃においても、燃料比は0.4に満たない程度であり、さらなる燃料比向上のためには、原料を熱処理するなどバイオマス試料を改質させる方法が一つの手段であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バイオマスの杉、竹原料を用いて、小型バッチ式固体バイオ燃料製造装置によりφ4mmの固形燃料を製造することに成功し、固形化することで燃料比が向上することを明らかにした。さらに、温度の影響に関しても実施できたことから、当初計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目より研究分担者であった近畿大の水野先生が諸事情により参加できなくなったが、担当内容であるバイオマス原料の粉砕、熱処理に関しては、産総研で対応することで実験に遅れが生じないよう進めていく。今後は、バイオマス原料を熱処理させた試料を用いて固体バイオ燃料を製造し燃料比を明らかにする。
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