2023 Fiscal Year Research-status Report
可動子界磁巻線を有する平面アクチュエータの6自由度電流制御技術
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23K03736
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Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
大澤 文明 大同大学, 工学部, 教授 (50410618)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | リニアモータ / 多自由度 / 三相インバータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではリニアモータを幅広い産業分野に応用するために,三相インバータを用いて駆動可能な多自由度平面電磁アクチュエータを提案し,その制御方法を示すことを目的としている.本年度は平面2自由度駆動とZ軸360°連続回転の3自由度同時駆動を実現する可動子構造および電流制御方法を3次元磁場解析により検証した.はじめに,永久磁石を界磁磁極とする可動子を対象とし,直交2軸の移動磁界にZ軸の回転磁界を重畳した回転・並進移動磁界を用いて3自由度同時駆動の可能性と課題を示した.つぎに,永久磁石とは異なり,磁界の大きさや向き,磁極位置を自由に調節できるように界磁鉄心にコイルを巻いた可動子構造を設計した.可動子の界磁電流により磁極軸を任意方向に調節することにより,回転運転時においても固定子と可動子の対向する磁極の相対位置を保持できることを確認した.そして,固定子・可動子コイルの通電条件と直交する2軸の推力およびZ軸の回転力から3自由度同時駆動の可能性を検証した.可動子に作用する力成分から動作軌道をシミュレーションした結果,可動子は固定子の磁極中心に向かって移動し,可動子磁極軸の方向によってその軌道が異なることが分かった.また,通電時における電機子鎖交磁束量から固定子の直交する2軸コイルと可動子コイル間のインダクタンス特性を算出した.これより,直交2軸コイルは可動ヨークを介して磁気干渉があることが分かった.解析により求めたインダクタンスをもとに各コイルに通電する電流と電磁力の関係を表した数式モデルを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は3自由度同時駆動を実現する移動磁界の検討と可動子構造を設計することであったが,おおよそ予想通り結果が得られた.また,当初の計画にはない,電流と電磁力の関係を表す数学モデルを示すことができた.本年度の研究達成度は当初の計画通りおおむね順調であった
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果に基づき,電流と電磁力の関係を表す数学モデルの妥当性を検証する.また,固定子と可動子の対向する磁極位置が鉛直方向の電磁力およびXY軸のモーメントに与える影響を評価し,各軸にモーメントを発生させる界磁電流の制御方法を検討する予定である.
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Causes of Carryover |
2023年度に試作予定としていた可動子の設計が遅れたことによる試作費の未使用が主な理由である。未使用額については、2024年度の研究に必要なアクチュエータの試作やセンサ計測機器の関連費用に充当する予定である。
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