2023 Fiscal Year Research-status Report
二点弁別能を上回る空間解像力で多様な“触れ方”へ応じる触覚ディスプレイの開発
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23K03768
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
前田 祐作 香川高等専門学校, 機械工学科, 講師 (00803404)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 触覚ディスプレイ / 質感提示 / 質感認識 / 触覚センサ / 機械学習 / 触覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題で提案する触覚ディスプレイは,「ピッチ変換機構」により,振動型触覚ディスプレイにおいて,指先の2点弁別能2mmを上回る1mmピッチの空間解像力,質感提示に十分な0.1mm程度の変位量を両立した触覚ディスプレイを実現する。これにより,例えば従来不可能であった布の繊維や織り方の違いによる質感の違いを提示することが可能な新しい技術が実現する。開始初年度においては,当初の計画に沿った以下の研究を実施した。 計画①ディスプレイ本体の開発:提示部直径3mmのディスプレイを,ハニカム状に配置した7つの振動素子を集積化することで実現し,個別の振動制御の動作検証を行った。 計画②制御手法の開発:触れ方に応じた触覚提示のため,マウスの位置情報から移動速度を,ディスプレイ下部に集積する荷重センサから接触圧を取得する方法についてそれぞれ検討を行った。加えて,ディスプレイの各振動膜を独立して制御するため,最大電圧3.3VのマイコンのPWM出力と, MOSFETを用いた昇圧回路の組み合わせにより,任意の振動波形を最大電圧300Vで出力することに成功した。 計画③信号の取得と生成:質感に対応する「基底信号」と,速度と接触圧からなる「接触状態」を入力し,触れ方に応じた「提示信号」を出力するモデルの実現に向けた,信号の取得を行った。単素子,および7素子のディスプレイをセンサとして使用し,振動提示部に対して,布2種に対してなぞり速度,接触圧を変化させ走査させ,モデルの訓練データに使用する信号を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
開始初年度の計画は以下の項目を実施することである。 計画①ディスプレイ本体の開発:提示部直径3mmのディスプレイの動作検証 計画②制御手法の開発:マウスの位置情報から移動速度,荷重センサから接触圧をそれぞれ取得する 計画③信号の取得と生成:単素子のディスプレイをセンサとして使用しての信号収集
各項目の実施は完了している。加えて,計画①が計画より早く進んでいる影響で,計画③の信号収集では本年度達成を計画していたアレイでの収集を開始できている。よって,本計画は当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,ディスプレイの提示直径9mmを61素子の集積化による実現を目指す。加えて,提示モデル実現のためのデータ収集,モデル訓練を行い,触れ方に応じた振動波形生成モデルによるディスプレイの駆動を実現する。
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