• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

非対称構造を持つ有機結晶微小共振器における放射レートの空間依存性

Research Project

Project/Area Number 23K03940
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

阪東 一毅  静岡大学, 理学部, 准教授 (50344867)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords有機結晶微小共振器 / 非対称構造 / 放射レート / 空間依存性 / パーセル効果
Outline of Annual Research Achievements

共振器内の構造に非対称性を導入した有機結晶微小共振器構造を作製し、その励起子放射レートの活性層内空間依存性を調べた。2枚の同じ誘電体多層膜ミラーを対向させ、有機結晶層と間隙(空気層)をそれぞれ数百nmの膜厚で挿入した。空気層の存在のため、ミラーと接する有機結晶界面(表側)では定在波が腹、空気層と接する有機結晶界面(裏側)では定在波が節となる状況を作ることができ、これを表裏で励起すると共振器結合定数の違いから、発光強度に差異が発生することが期待できる。
本年度は最も有機結晶の吸収係数が大きな波長(約395nm)の励起レーザーを新たに導入し、界面に局所的に生成した励起子からの共振器結合定数の空間依存性を反映した発光を観測した。その結果、明瞭に表裏励起で異なる発光スペクトルが得られ、共振器による発光増強効果を取り入れた発光スペクトルの計算結果との比較も行った。おおむね実験と計算が一致することが確認できた。
その一方で、非対称構造を共振器内の空気層がどちら側に導入されたのかを判別する方法がこれまでなく、前提とした計算が実験結果の表裏と完全に対応付けるのは難しかったが、反射スペクトルによって判別する方法を新たに確立した。これまで透過スペクトルで共振器構造を把握していたが、透過スペクトルでは表裏の違いは判別できなかった。一方で反射スペクトルは活性層の有機結晶が励起子吸収帯域で強く吸収されるため、表裏で違いが生じる。この手法を用いて表裏を判別する方法を考えた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

非対称共振器を作製し、励起光源として395nmの半導体レーザーを新たに導入して表裏励起での発光測定を行った結果、表裏で非対称構造を反映した強度の違いが確認された。また、転送行列計算によって導出したフレネル係数を用いて発光スペクトルを計算し、おおむね良い一致を確認することができた。

Strategy for Future Research Activity

非対称共振器構造作製における新しい手法を試みる。共振器内に有機結晶を再結晶化したあと、非対称構造の基になる空気層を導入するが、これまでの手法では空気層導入の際に結晶にクラックが入るなどの問題が生じることが多かった。この手法についてはすでに有効性が確認されつつあるため、本格的にこれを用いた試料作製法で非対称共振器構造を作製する。
また、パルスレーザー励起による発光寿命の計測を試み、表裏励起によって寿命が直接変化するパーセル効果の直接観測を試みる。

Causes of Carryover

試料作製上の問題点を解決する新たな方法を考案し、当初とは異なる手法である空気層を導入しない形での非対称共振器構造の試料作製を試みた。この試みにより特に試料作製用の消耗品等が安価で済む形となった。

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi