2023 Fiscal Year Research-status Report
可視-赤外イメージ伝送用テルライトおよびカルコゲナイドマルチコアファイバの作製
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23K03964
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
鈴木 健伸 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60367828)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 赤外イメージ伝送 / マルチコアファイバ / テルライトガラス / カルコゲナイドガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主要な成果は以下の3点である. はじめに,既存の可視イメージファイバはシリカガラスが用いられている.本研究で用いるテルライトガラスの優位性を明らかにするため,1.5μmの近赤外波長帯のシリカガラスおよびテルライトガラスのシングルコアの厳密な解析を行った.その結果をもとに均一な直径のコアを2つのコア間のエネルギー移動および最密充填配置したマルチコア間のエネルギー移動の解析を行った.テルライトガラスマルチコアファイバはシリカマルチコアファイバガラスを用いた場合と比較して,コアの直径およびコア間の距離を従来の約2/3に縮小できるため,画素密度を2倍以上向上ささせることができること明らかにした.また,前断面に対する画素となるコアの断面積比は1.4倍に増加させることができ,より明るい像を伝送することができることを明らかにした. つぎに,マルチコアファイバにおいて種々のランダム性がどのようにビームの広がりに影響を与えるのかをビーム伝搬法により明らかにした.その結果,コア間の距離のランダム性はビームを広がりを促進する効果があり,コア直径のランダム性はビームの広がりを抑制する効果があることを明らかにした. さらに,5μmを超える中赤外波長域でのイメージファイバを設計するには中赤外波長域での材料の屈折率を明らかにすることが必須であるが,この波長域で高精度で信頼性の高い屈折率を測定する手法を開発した.我々が提案する新規な手法は,可視・近赤外域の屈折率を最小偏角法によりガラスプリズム試料について高い精度で測定し,約0.2mmの薄板試料を用いて,可視から中赤外の透過率の干渉フリンジパターンをもとに,屈折率の値を中赤外まで小数点以下4桁の精度で外挿することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値計算を用いて研究の方向性に誤りがないことを確認することができた.また,中赤外域の屈折率を精度よく測定することができるようになったため,より多くの材料について比較検討をすることができるようになった.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,種々の材料の中赤外の屈折率の測定をおこない,中赤外のイメージ伝送に適したガラス材料の組成を明らかにする.数値計算法により中赤外域のイメージ伝送について詳細に解析する.その際に,マルチコアファイバのコア径のランダム性を加えて,できるだけコア間のクロストークを抑制することができるような構造を明らかにする..また,コアをランダムに配置できるようなマルチコアファイバの作製方法を検討しつつ,実際のマルチコアファイバを試作する.
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Causes of Carryover |
残額がファイバ作製に必要な物品を購入するのに十分でなかったため,次年度にファイバ作製用のガラス材料の原料購入の一部として使用する.
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