2023 Fiscal Year Research-status Report
Research and development on magnetic Josephson junctions based on magnesium diboride
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23K03967
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
盛 鵬 北見工業大学, 工学部, 助教 (70773745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 浩行 北見工業大学, 工学部, 教授 (60393732)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 磁性ジョセフソン接合 / 超伝導 / 二ホウ化マグネシウム / 薄膜 / 分子線エピタキシー |
Outline of Annual Research Achievements |
「磁性ジョセフソン接合」は、磁性膜をバリア層とする超伝導スピントロニクスデバイスの代表例であり、低温メモリデバイス、超伝導ロジックおよび量子コンピューティングなどの実現に大きく寄与すると期待されている。これまでの磁性ジョセフソン接合は、超伝導層としてNbやNbNが使われていたため、動作温度は約4 Kまで低くする必要があった。本研究では、二ホウ化マグネシウム(MgB2)を用いて磁性ジョセフソン接合を初めて作製し、それを使用して20 Kで動作可能な0-0-π超伝導量子干渉計(SQUID)を実現することを目指している。
令和5年度は、高品質な完全エピタキシャルMgB2/AlOX/MgB2多層膜の成長条件を検討した。まず、厚さ50-100 nmのMgB2膜のTcが約220°Cで30分間加熱した後でもTc約30 Kであることを確認した。これは、この薄膜が安定しており、ジョセフソン接合の作製に必要な条件に適していることを示している。AlOXバリア層を作製する際、Al膜の成長厚さや酸化時間などの条件を変更することにより、一連のMgB2/AlOX/MgB2多層膜試料を作製した。デバイスの作製に関しては、現在エッチング用のCADパターンを設計している。一方、酸化条件が界面に及ぼす影響を確認するために、TEMを使用してMgB2/AlOX界面を分析する準備も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当研究室のイオンエッチング装置ではMgB2膜のエッチングが困難であることが判明したため、成長した多層膜試料を全て北大に送ってエッチングしてもらう必要があった。そのため、先方のエッチング装置に合わせたCADパターンを設計する必要がある。また、先方の手配する実験スケジュールを待つ必要もある。
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Strategy for Future Research Activity |
CADパターン設計完了後、直ちに北海道大学に連絡し、多層膜試料のエッチングなどの微細加工の手配を早急に依頼する。同時に、磁気ジョセフソン接合に必要な磁性多層膜を成膜し、さらなる研究を進めて遅れを取り戻す。
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