2023 Fiscal Year Research-status Report
Gate insulator deposition process for GaN-based MOS devices using mist-CVD technique
Project/Area Number |
23K03973
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷田部 然治 熊本大学, 半導体・デジタル研究教育機構, 准教授 (00621773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ASUBAR JOEL 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (10574220)
中村 有水 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (00381004)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 窒化物半導体 / ミストCVD法 / ゲート絶縁膜 / 表面パッシベーション / 界面準位 / 非線形最小二乗法 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) GaN基板上にエピタキシャル成長した低転位密度n-GaN層上に低コストで酸化物薄膜が形成可能なミスト(化学気相成長法)CVD法によりゲート絶縁膜(Al2O3)を堆積し、その金属-酸化膜-半導体(MOS)界面特性の評価をおこなった。Mist-Al2O3/GaN界面に高密度の電子準位が存在する場合には比較的平坦な容量-電圧(C-V)特性となる。今回作製したMist-Al2O3/GaNダイオードは絶縁膜容量まで達するC-V特性が得られ、また理想C-V特性と近い特性が得られたことから、比較的良好なゲート絶縁膜/GaN界面が得られている可能性が示された。ミストCVD法は既存の原子層堆積法(ALD)法よりも低コストな堆積法であるため、ミストCVD法が新たなゲート絶縁膜堆積手法として有望である可能性が示唆された。
(2) AlGaN/GaNはワイドギャップ半導体であり、またゲート絶縁膜/AlGaN、AlGaN/GaNの2つの界面を有することから、ゲート絶縁膜/AlGaNの定量的な界面準位密度分布の評価は容易ではない。今年度はゲート絶縁膜/AlGaN/GaNダイオードのC-V特性を詳細に解析し、界面準位密度分布が閾値電圧変動に与える影響について定量的な評価をおこなった。非線形最小二乗法と逆バイアス支援法を組み合わせた新たな界面準位密度分布評価手法を開発し、既存手法との比較をおこなった。提案手法と既存手法との整合性が得られ、さらに提案手法では特殊な装置や多くの物性パラメータの仮定を用いず、室温での測定で伝導帯から約1 eV程度のエネルギー位置の電子準位の評価が可能であると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミストCVD法により作製したmist-Al2O3/n-GaN構造において作製したダイオードは絶縁膜容量まで達するC-V特性が得られ、比較的良好なAl2O3/GaN界面が得られている可能性が示唆された。またヘテロ構造上に作製したゲート絶縁膜/AlGaN界面については伝導帯から約1 eV程度のエネルギー位置の電子準位に対する評価手法も新たに開発した。これらの成果は招待講演2件を含む国際会議1件、国内会議7件で報告しており、本課題は概ね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は以下の2つの課題に取り組む。 (1)幅広いエネルギー範囲の界面準位密度分布の導出 光支援C-V法をGaN on GaN上にミストCVD法で形成したゲート絶縁膜/GaN界面のミッドギャップ近傍の界面準位密度の導出に適用する。さらに独自の数値計算手法を用いて幅広いエネルギー範囲での界面準位密度分布を導出し、評価結果をゲート絶縁膜堆積プロセスにフィードバックし、ミストCVD法によるゲート絶縁膜堆積プロセスの最適化を目指す。 (2)ゲートリーク電流・バンドオフセットの評価 ミストCVD法により形成したゲート絶縁膜/(Al)GaNのバンドオフセットとゲートリーク電流を詳細に評価し、優れた絶縁性を持つゲート絶縁膜堆積プロセスの開発を目指す。
|
Causes of Carryover |
基板・ミスト原料溶液代として計上していた予算の一部について、効率的に研究が進んだため予定より使用額が少なかった。研究の進展にあわせて効果的に使用することが望ましいと判断し、次年度使用額が生じた。 次年度は今後さらに詳細な評価が必要になる電気特性評価装置用の消耗品に充てる計画である。
|
Research Products
(9 results)