• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

Development of High Mobility and High Reliability SiC MOSFETs by Fluorine-Enhanced Thermal Oxidation

Research Project

Project/Area Number 23K03974
Research InstitutionToyama Prefectural University

Principal Investigator

岡本 大  富山県立大学, 工学部, 准教授 (50612181)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords炭化ケイ素 / MOSFET / 界面準位密度 / チャネル移動度 / ゲート酸化膜 / 熱酸化
Outline of Annual Research Achievements

次世代の省エネデバイスとして注目を集めているSiC MOSFETにおいては、SiO2/SiC界面における高密度の界面準位に起因する低いチャネル移動度が問題となっている。本提案においては、SiO2/SiC界面欠陥をさらに大きく低減したうえで高い信頼性を有するゲート絶縁膜を実現するため、フッ素系ガスSiF4の添加による熱酸化手法を提案し、その効果を調査することを目的として研究を推進している。初年度である令和5年度においては、研究の立ち上げと、MOSキャパシタによるF導入の効果の検証を主に行い、以下の成果を得た。まず、SiF4とO2を混合したガスをランプ炉に流し、高温に加熱できる実験系を構築した。RCA洗浄から、SiF4添加酸化、電極蒸着の一連のプロセスによりMOSキャパシタを形成するプロセスを学内で確立した。SiF4の添加量を変化させ、MOSキャパシタの特性を調べたところ、ごく微量の添加により界面準位密度が低減できることが明らかとなった。なお、これらの実験はランプ加熱炉によるものであり、チップ面内での膜厚ばらつきが大きくなるという課題が明らかとなった。安定した実験データを得るためには、3ゾーン制御による横型の拡散炉により実験を進めていく必要がある。令和6年度においては、3ゾーン加熱炉の立ち上げにより、MOS界面特性改善に向けたプロセス開発をさらに強力に推進していく。それと同時に、SiF4添加酸化によりSiC MOSFETを作製し、高チャネル移動度の実証にも取り組んでいく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画のうち、初年度の目標であったMOSキャパシタを用いたF導入の効果確認に関しては、界面準位密度を低減できる条件を見出すことができた。新規プロセスの開発において、界面準位が低減するのかどうかが最も大きな壁であるが、それをクリアできたことは大きな成果であると言える。さらに条件出しを進めて、MOSFETでの実証が期待される。一方、実施計画に記載していた全ての実験ができた訳ではなく、SIMSを用いた膜中のF濃度分布などの実施までは至らなかった。これは、F導入の条件出しをしっかりと行ってから実施したほうが良いという判断のためである。これらをトータルで考えると、最も困難である界面準位低減に成功していることから、おおむね順調に進展していると評価できる。

Strategy for Future Research Activity

当初記載した研究計画に従い、前年度に得られたMOSキャパシタに対する結果を基にして、SiF4添加酸化を用いたSiC MOSFETの作製を行う。前年度と同様に、ここでも系統的に条件を変化させ、高いチャネル移動度が得られる条件を見出し、本提案手法の有効性を示す。MOSFET作製のためのクリーンルーム内の装置整備なども行い、学内でMOSFETの試作ができるようにする。作製したデバイスは、半導体パラメータアナライザを用いて、電界効果移動度などの評価を行う。また、各種の物理分析法を用いて、高移動度が得られる理由を明確化することを目指す。

Causes of Carryover

執行率は98%であり、概ね計画通りに執行できたと考えているが、ごく僅かに未使用額が生じた。残額が生じた理由は、必要性をよく考えたうえで研究費を使用するように心がけたためである。次年度は、令和5年度の成果を基にしてMOSFETの作製を実施するため、前年度に生じた残額と併せて、デバイス作製に必要な物品を効率的に購入していく。また、得られた成果を積極的に発表するためにも予算を使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] SiF4添加酸化によるSiO2/4H-SiC 構造における界面準位密度の低減2023

    • Author(s)
      高林 知輝, 岡本 大, 染谷 満, 平井 悠久, 岡本 光央, 畠山 哲夫
    • Organizer
      令和5年度(2023年) 応用物理学会 北陸・信越支部 学術講演会
  • [Presentation] SiC MOSFETのSplit CV特性を説明する等価回路モデルの検討2023

    • Author(s)
      酒井 彰人, 岡本 大, 染谷 満, 平井 悠久, 岡本 光央, 畠山 哲夫
    • Organizer
      令和5年度(2023年) 応用物理学会 北陸・信越支部 学術講演会
  • [Presentation] pチャネルSiC MOSFETにおけるストレス印加・緩和時のしきい値電圧不安定性評価2023

    • Author(s)
      小橋 明希斗, 岡本 大, 染谷 満, 平井 悠久, 岡本 光央, 畠山 哲夫
    • Organizer
      令和5年度(2023年) 応用物理学会 北陸・信越支部 学術講演会
  • [Presentation] pチャネルSiC MOSFETにおけるCharge Pumping電流のチャネル長依存性2023

    • Author(s)
      田口 雄大, 岡本 大, 染谷 満, 平井 悠久, 岡本 光央, 畠山 哲夫
    • Organizer
      先進パワー半導体分科会第10回講演会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi