2023 Fiscal Year Research-status Report
計画高水位を越える洪水による橋梁流出被害低減に関する研究
Project/Area Number |
23K04016
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Research Institution | National Institute of Technology (KOSEN), Kure College |
Principal Investigator |
河村 進一 呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 教授 (70315224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 岳司 呉工業高等専門学校, 環境都市工学分野, 教授 (50325148)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 洪水 / 流体力 / 橋梁 / 数値流体解析 / 水槽実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年の豪雨災害で問題となっている計画高水位を越える洪水による橋梁の流失被害に関して,構造(橋)-流体(水)の連成系として数値シミュレーションを行って,洪水時の流体力を推定し,橋梁被害を防止・低減しようとするものである。 2023年度は、(1)地形と構造物の3Dデータ取得、(2)数値シミュレーションソフトウェアの整備、(3)単純な形状のモデルを使用した水槽実験を計画した。 (1)地形と構造物の3Dデータ取得に関しては、測量用ドローンと3Dレーザースキャナによる橋梁形状および河川地形の詳細な計測を計画したが、ドローンの調達に時間がかかったこともあり、現地調査を着手できなかった。測量用ドローンと航行支援ソフトウェア、写真測量用ソフトウェアの整備は年度内に完了し、呉高専所有の3Dレーザースキャナと合わせて、対象橋梁周辺の地形の3次元計測と橋梁の細部形状計測を行う準備ができている。 (2)橋脚-橋桁-河川を含む単純な形状の数値解析モデルのメッシュ構築と数値流体解析による橋梁周辺流れと流体力の評価のための自作プログラムのカスタマイズ、特に橋梁に洪水流を対象とするために水面を表現できる界面捕獲法(VOF法)のチューニングを行った。また、市販数値流体解析ソフトとの比較を行った。 (3)近年も流失被害がある鉄道橋の2主桁開床プレートガーダー橋の模型を製作し、上流側主桁に設置するフェアリングの効果について、水槽実験により主桁に流体力の検討を行った。フェアリングを設置することにより、流体力の最大値がわずかに減少することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
7月末に購入予定であった測量用ドローンの機種変更が必要となり、12月末に購入できたが、新規購入のドローンの操縦訓練や操縦用ソフトウェアの訓練に時間を要したため、対象橋梁の現地調査が未実施である。そのため、現地調査の結果に基づく実橋梁周辺の3Dデータ取得ができていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に未実施の対象橋梁の現地調査を8月末までに実施して、橋梁周辺の3Dデータ取得を行う。3Dデータの取得に関しては半年遅れとなるが、2年目終了までに当初の計画の内容を実施可能と判断している。
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Causes of Carryover |
2023年度に実施できなかったドローンと3Dレーザースキャナによる橋梁の現地調査を実施するための旅費および計測補助のための人件費、また、契約の関係でドローン測量のためのソフトウェアライセンスの調達が2024年4月になったため2024年度内で予算消化する予定である。
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