2023 Fiscal Year Research-status Report
水田における洪水貯留が与える河川への効果と水田生態系サービスへの影響評価
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23K04051
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
尾花 まき子 中部大学, 工学部, 准教授 (10447831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 誠 中部大学, 工学部, 教授 (50298486)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 水田貯留 / 流域治水 / 水田生態系サービス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年に施行された流域治水を推進する上で,大河川の氾濫対策だけでなく集水域での洪水貯留力の評価が急がれている.本研究では,その1つとして注目される水田に着目し,水田での初期貯留が支川に与える効果と洪水の流入による水田生態系サービスの変化について検討することを目的とする.研究期間の3年間で,具体的にA.地理・地形条件を考慮した流域の水田分布形態や用排水路システムの分析,およびB.それに基づく洪水貯留モデルの構築と接続する支川への効果の検討,を行うと同時にC.洪水の流入による水田生態系サービス(水質浄化能,収穫量)への影響を明らかにする.それらにより見える水田貯留とそこで発揮される生態系サービスの両者のバランスから,最適な水田貯留の管理法を提案する. 1年目では,上述したAとBについて水田モデルを構築し支川の洪水貯留を算出可能な数値モデルが完成しており,おおむね順調な進み具合である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,1)水田での初期貯留が支川に与える効果と2)洪水の流入による水田生態系サービスの変化の解明,という大きく2つのパートにより構成されている.当初の計画通り,1)については,水田貯留に関する研究レビューに基づき不足している観点からの貯留効果および支川に与える効果について,水田モデルを構築し数値解析的検討が8割方出来ている状況である.2)については,今年度の取り組みとして計画中である.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,1)の数値解析的検討を継続するほか,2)の水田生態系サービスについて現実の水田を使用しながら水位変動を考慮した場合の水田生態系サービスを算出可能なモデルを開発予定である.その後,1)と2)をカップリングさせて,流域全体としての水田貯留の効果と水田生態系サービスの概算を計画している.
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Causes of Carryover |
今年度に購入した水田氾濫模型セットの価格調整時間がかかり,そのための資金を確保したことから余剰が出た.次年度は,当初の計画通り高度数値解析用のWorkstationや現地用ポータブルPCなどのAC機器などに使用予定である.
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