2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Evaluation System for Children's Safe and Independent Mobility
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23K04069
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 耕輔 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (60469591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 幸二郎 豊橋技術科学大学, 建築・都市システム学系, 准教授 (50634226)
吉城 秀治 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (40734926)
葛西 誠 秋田工業高等専門学校, 創造システム工学科, 准教授 (20579792)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 子供の移動自由性 / CIM / 6つのライセンス / 子供 / 小学生 / 交通行動分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,トレードオフの関係にあるCIMと安全性の両立を図る.すなわち,CIMを高めながら,安全性を高める方法を明らかにすることを最終目標とし,以下の3つの研究目的を設定した.[1]子供の置かれた環境条件を評価する評価指標の構築,[2] CIMと安全性の相互作用メカニズムの解明,[3] CIMと安全性の両立を図る評価システムの構築. 本年度は初年度であることから,「研究フレームワークの確認」,ならびに「子供の置かれた環境条件を評価する評価指標の構築」を重点的に行った. まずは,申請段階で仮定したCIMのメカニズム,すなわち,親が子供を一人で外出させたいか否かといった親の価値観が,環境要因の影響を受け,子供を一人で移動させてもよいかという親の意思決定によって,子供の移動自由性(CIM)がアウトプットとして出現するという考え方について,メンバー全員で確認を行った.その上で,[1]CIMの概念整理,[2] 親の価値観ならびに意思決定,[3] 環境要因の観点から本研究のフレームワークの確認を行った. つぎに,研究目的1の「子供の置かれた環境条件を評価する評価指標の構築」を行うに際し,2022年3月に実施した全国を対象としたCIMの実態把握を行ったWEBアンケート調査結果を用いて,CIMに影響を及ぼす要因を明らかにすることを試みた.具体的には,6つのライセンスのうち,登校以外の5つのライセンスに着目し,それぞれのライセンスごとに順序ロジットモデルを構築することによって,影響を及ぼす要因を明らかにした.その結果,ライセンスによって,要因が異なることがわかった.また,親が子供の頃の状況が自身の子供の単独での交通行動に影響を及ぼしていることがわかった.一方で,ライセンス相互間がどのように影響を及ぼしているのかは明らかにできておらず,今後の課題として残った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書で提案した計画どおりに進んでいる.具体的には,[1]CIMの概念整理,[2] 親の価値観ならびに意思決定,[3] 環境要因の観点から本研究のフレームワークの確認を行うことができた.また,研究目的1の「子供の置かれた環境条件を評価する評価指標の構築」を行うに際して,2022年3月に実施した全国を対象としたCIMの実態把握を行ったWEBアンケート調査結果を用いて,CIMに影響を及ぼす要因を明らかにすることを試み,概ね,当初想定したCIMのメカニズムの一部である「親の価値観」がCIMに影響を及ぼしていることが解明できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,引き続き,研究目的1の「子供の置かれた環境条件を評価する評価指標の構築」を行うとともに,研究目的2の「CIMと安全性の相互作用メカニズムの解明」に着手していきたいと考えている.具体的には,6つのライセンスに着目し,子供の交通行動によって,子供が単独での交通行動に影響を及ぼす要因が異なることがわかってきたため,6つのライセンス相互の関係性などについて明らかにするために,共分散構造分析などを通じて,マクロな視点によるCIMを評価する予定である.さらに,この結果を踏まえ,研究目的3の「CIMと安全性の両立を図る評価システムの構築」に向けた検討を開始したいと考えている.これらの活動を通じて,CIMと安全性の相互作用のメカニズムを把握するために,本研究で実施予定のwebアンケート調査(各都道府県100票の計4,700票獲得予定)の検討を行うとともに,webアンケート調査を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
当初想定よりも研究が進んだ場合を想定して,現在保有するデータでは,CIMと安全性の相互作用のメカニズムの把握を行うことができないため,分析等に必要なデータを取得するための費用ならびに研究を遂行するために必要となる研究情報の収集や研究打合せのための旅費等を本年度計上していた.しかしながら,当初予定していた研究の進捗であったことから,CIMと安全性の相互作用のメカニズムの把握までは着手できなかった.そのため,これらの予算について,次年度に繰り越すこととしたため,次年度使用額が生じた.
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