2023 Fiscal Year Research-status Report
Effect of Treatment of Water-Absorption-Controlling Material as Primer for Coating of Polymer Cement Mortar on Durability of Concrete
Project/Area Number |
23K04127
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
齋藤 俊克 日本大学, 工学部, 准教授 (70547819)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ポリマーセメントモルタル被覆 / 吸水調整材塗布 / コンクリート / 耐久性 / 促進耐久性試験 / 屋外暴露試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,供試体を用いた促進試験(中性化試験,塩化物イオン浸透深さ試験)及び屋外暴露試験(中性化,凍害,塩害,紫外線劣化,火山性ガス劣化)を実施して,PCM(以下,ポリマーセメントモルタル)被覆コンクリートにおけるプライマー処理がコンクリートの耐久性に及ぼす影響を明らかにする。その結果より,「プライマー処理+PCM被覆」の仕様(吸水調整材の塗布量+被覆PCMの調合要因・被覆厚)とコンクリートの耐久性の関係を明確にする。 令和5年度は,「プライマー処理の影響とPCM自体の耐久性」をテーマに,以下の研究を予定していた。促進試験として,プライマー処理コンクリート供試体及びPCM供試体の中性化及び塩化物イオン浸透深さ試験を行う。又,屋外暴露試験として,PCM供試体及び吸水調整材によるプライマー処理をして作製したPCM被覆コンクリート供試体を大学から暴露試験場に送付して暴露試験場に赴き,試験環境を整え,暴露試験を開始する。又,先行研究で実施している供試体の中性化深さ及び塩化物イオン浸透深さを測定する。 その結果,吸水調整材による下地処理はPCM被覆コンクリートの中性化及び塩化物イオン浸透抵抗性を改善し,その効果は塗布する吸水調整材の固形分量の増加に伴い向上すること,被覆PCM相はそれ自体の中性化及び塩化物イオン浸透後においても,劣化因子浸入への物理的バリア相として機能し,PCM被覆コンクリートの中性化及び塩化物イオン浸透に対する抵抗性は,PCM被覆と吸水調整材塗布との相乗効果によってもたらされることを明らかにした。又,三宅島にて暴露開始2年,北海道にて暴露開始1年経過した供試体の中性化深さ及び塩化物イオン浸透深さを測定した結果,いずれの供試体においても,被覆PCM相2.5mmまで中性化及び塩化物イオン浸透が達していなかったことから,引き続き暴露試験を継続する予定としている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度における研究については,研究実績の概要に示したいずれの項目についても,おおむね計画通りに研究が進行している。その結果,研究初年度の成果を取りまとめ,審査論文1編及び口頭発表3編の研究業績を得ており,順調に研究が進展していることを裏付けている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き,基本的には申請書の計画通りに,各年度に予定している促進耐久性試験及び屋外暴露試験を行っていく予定である。
|