2023 Fiscal Year Research-status Report
建物におけるマイクロプラスチック及び添加剤の濃度に関する研究
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23K04139
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Research Institution | Kurume Institute of Technology |
Principal Investigator |
Kim Hyuntae 久留米工業大学, 工学部, 准教授 (90580382)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マイクロプラスチック / 可塑剤 / 準揮発性有機化合物 / 健康リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロプラスチックとは5ミリ以下のプラスチックと定義されている。自然環境下では雨や風などにより数か月から数十年の時間をかけプラスチックごみが削れて生成される。また、経時変化によって添加剤の濃度も低減されると考えられる。一方で、室内に存在するMPsは長時間ではなく、短時間で生成されると考えられる。例えば上靴と床が摩擦され微粒子のMPsが生成される。これらは時間をかけずに生成されているため、含有された添加剤の濃度も高いままであることが予測される。そこで、本研究では模擬MPsを用いて経時変化によるSVOCの濃度を確認し、MPsから放散するSVOCの放散挙動とリスク評価を行った。その結果、2E1H、DEPは経時変化によってMPs中の濃度が上昇した。DEHPはシャーレの上に散布した模擬MPs中DEHP濃度は低減し続けていたが、PVC床材の上に散布した模擬MPs中DEHP濃度は上昇した。DEHTはシャーレの上に散布した模擬MPs中DEHT濃度は低減し続けていたが、DEHPと同様にPVC床材の上に散布した模擬MPs中DEHT濃度は上昇した。63µm以下のハウスダスト中のMPsに含まれるDEHPはTDI、RfDの値より高く評価された。また、その他のSVOC物質を摂取することを想定した場合、より高濃度に曝露されることが予測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は測定に必要とする製品、測定機器などを準備するため、少し測定などが遅れていったが、順調に進展している。また、本研究を行った学部学生が修士1年に進学したため、引き続き研究することが出来る。
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Strategy for Future Research Activity |
室内のマイクロプラスチックと屋外のマイクロプラスチック中SVOC含有率の経時変化を調べ、室内中マイクロプラスチック中添加剤の濃度を調べる。今までの測定対象物質は可塑剤を中心とした研究が多いが、これからは可塑剤のみではなく、プラスチック製品に含有される添加剤を調査することで、室内中化学物質の汚染源と汚染物質の種類を特定する。
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Causes of Carryover |
今年は測定準備などで測定回数が足りなかった。そのため、今年度は測定回数を増やすことでで測定結果の信頼性を高める。
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