2023 Fiscal Year Research-status Report
Research on planning methods for sustainable infrastructure formation in rural areas by verifying policies for endogenous regional development
Project/Area Number |
23K04166
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Research Institution | Niigata Agro-Food University |
Principal Investigator |
鈴木 孝男 新潟食料農業大学, 食料産業学科, 教授 (80448620)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 過疎地域 / 地域振興施設 / 地方創生 / 内発的発展 / 地域資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)計画実施から50年経過した内発型地域振興策の検証:総合計画等の変遷、この間に取り組んできた地域振興策を抽出し内容を類型化した。 (2)活用している地域資源と活用方法の有効性分析:調査対象の13自治体に内在する地域資源を抽出し分類した。実地調査は、秋田県藤里町、青森県田子町、新潟県胎内市で行い、行政担当職員等へのヒアリングを通じて地域資源を活用した商品開発、交流・体験サービス、遊休施設の活用をはじめ、50年間の時間軸で地域振興策の変遷を整理した。内発型地域振興に取り組んできた調査対象地では、地方創生の各種政策が導入される前から地域ブランドの確立、稼ぐまちづくり、交流人口の獲得に向けて全国に先駆けて取り組んできたことが分かった。 (3)地域振興施設群の設置状況とその機能と運営実態の可視化:地域の経済循環を生み出す役割が期待される地域振興施設の機能を整理した。主要施設を抽出し、自治体の中に複数ある施設群の設置状況を整理した。人口減少による利用者の低下、築年数の多い施設のメンテナンスなど現代的な課題が浮き彫りになった。 (4)地方創生の問い直しを試み「新しい内発的発展論」を探求:地域資源は多様であるが、それぞれが少量であるため、小規模な商品やサービスの開発を行い「合せ技」で地域ブランドの向上を図っている点、希少性の高い地域資源に価値を見出した首都圏の企業との連携などが、内発的振興の持続力を維持する動向として注目される。また、日本建築学会農村計画委員会が主催する日韓交流(開催地:順天大学)において研究成果を発表し、韓国の研究者らの見解を収集することができた。とくに生活文化の活用に対する関心の高さに共感することができたことは大きな成果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「やや遅れている」と判断した理由は下記の通りである。 (1)計画実施から50年経過した内発型地域振興策の検証:総合計画の実態調査まで至っておらず、時系列的な変化の解析に着手できていない。 (2)活用している地域資源と活用方法の有効性分析:官民連携等の視点も加味して地域振興に果たす有効性の分析が遅れている。 (3)地域振興施設群の設置状況とその機能と運営実態の可視化:地域外で連携する民間施設などの抽出が未達成である。 (4)地方創生の問い直しを試み「新しい内発的発展論」を探求:東北圏の悉皆調査を行う予定だが、一部のみだけの調査にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、研究の進捗はやや遅れているが、挽回可能な程度と考えており、2年目の早い段階から対策を講じたい。具体的には下記の通りである。 (1)計画実施から50年経過した内発型地域振興策の検証:調査対象の13自治体の全てについて、総合計画等による推進された施策を時系列な整理を完了したい。地域特性に合わせた比較分析について、状況に応じて実施する。 (2)活用している地域資源と活用方法の有効性分析:官民連携等の視点も加味して地域振興に果たす有効性について実地調査から特定する。 (3)地域振興施設群の設置状況とその機能と運営実態の可視化:地域外で連携する民間施設を近年の新しい動きとして注目し、その効果や発展可能性について調査を行う。現地調査を行い現在の施設運営等の実態も把握する。 (4)地方創生の問い直しを試み「新しい内発的発展論」を探求:2年目の早い段階に、東北圏の悉皆調査を完了することを目指す。
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Causes of Carryover |
一部予定していた現地調査が日程調整が叶わず実施できず、年度をこえて実施することとしたため。次年度に精力的に、現地調査およびヒアリング調査を行う予定である
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