2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K04177
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Research Institution | Akita University of Art |
Principal Investigator |
井上 宗則 秋田公立美術大学, 美術学部, 准教授 (00715906)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 相撲空間 / 土俵 / 奄美群島 / 文化的空間 / 集落構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
鹿児島県の奄美群島は、相撲が盛んな地域として知られており、奄美大島では集落ごとに土俵があるといわれるほど、相撲が集落固有の文化として根付いているが、南三島(徳之島、沖永良部島、与論島)については、北奄美(奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、喜界島)と比較し、常設の土俵はごく僅かであると指摘されている。しかし、南三島の土俵の分布状況については不明な点が多く、2024年3月に現地調査を行った。その結果、徳之島12箇所、沖永良部島12箇所、与論島5箇所の土俵の存在を確認した。また、これらの土俵の利用形態に着目すると、[A.集落内で利用される土俵]、[B.広域的に利用される土俵]、[C.小学校内の土俵(教育として利用される土俵)]の3つに分類可能であることが分かった。 [A.集落内で利用される土俵]については、徳之島および沖永良部島においてそれぞれ複数存在していたが、与論島では確認できなかった。立地環境を確認すると、徳之島においては、公民館のような集会施設の敷地内に立地しているものが5箇所、神社の境内および砂浜に立地しているものがそれぞれ1箇所であった。一方、沖永良部島においては、集会施設に近接した公園内、神社の境内、共同墓地の敷地内、単独の立地と全て異なる立地環境であった。 [B.広域的に利用される土俵]については、3島ともその存在が確認された。しかし、立地状況を確認すると、徳之島にあっては、文化会館や公園などの公共施設に併設される事例のみであったが、沖永良部島および与論島にあっては、神社の境内に常設された土俵もあり、3島間の相違が認められた。 [C.小学校内の土俵]は、徳之島では22校中2校、沖永良部島では9校中3校、与論島ではすべての小学校(3校)で確認でき、3島間に明快な差異が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象地の調査を2023年9月に実施する予定であったが、体調不良により行えず、2024年3月に実施することになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
奄美大島を除く北奄美(加計呂麻島、請島、与路島、喜界島)の現地調査を行い、これまでの調査結果と合わせて奄美群島における土俵の分布状況を明らかにする。そのうえで、相撲空間を構成する物的要素の分析を行い、その形態的特徴を抽出を試みる。同時に、相撲空間の設計者の特定作業を進めていく。
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Causes of Carryover |
2023年9月に予定していた現地調査を体調不良により2024年3月から4月にかけて期間を短縮して行ったため、次年度使用額が生じた。そのため、2024年4月時点で次年度使用額の約8割は使用済であり、残りは2024年9月に予定している現地調査費として使用する予定である。
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