2023 Fiscal Year Research-status Report
障害者の活動拠点の整備による地域コミュニティの持続可能性に関する研究
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23K04194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松原 茂樹 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10399248)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 障害者 / 活動拠点 / 地域コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
障害者差別解消法により、障害者も社会の一員として、地域に居住すること(地域居住)によって、多くの健常者と同様社会のなかで役割をもつこと、多様な社会の場への参加をつくること、さまざまな人と交流することなどが求められ、これらが実現できるよう建築分野でも方策を示す必要がある。障害者と住民の双方向の対等な関係性を築くために、障害者のニーズと地域コミュニティのニーズをくみ取る障害者の「活動拠点」を整備することが障害者の地域居住を安定させるだけでなく、地域コミュニティの維持・再生にもつながるという立脚点をもつ。そこで事例収集調査を行い、地域性を考慮して4団体に訪問インタビュー調査を行った。活動拠点と地域コミュニティとの関係に着目すると、地域の組合・団体等に参加し、その所有する中心地区に近い建物を入手できたこと、活動拠点がその拠点になり、コミュニティ内のさまざまな場所に就労事業が広がっていること及び住民と共同でそれらに取り組んでいること、社会福祉の制度外の事業者の自主的機能も活動拠点に有することでさまざまな属性の人にまたがるケアの関係が生まれていたこと、が明らかになった。障害者の活動拠点の機能・空間の特徴に注目すると、地域コミュニティの住民以外にも広域の住民も対象にした店舗を障害者の就労支援事業として行っていること、特に地域コミュニティの住民には地域の状況を踏まえて、日常生活で必要な食品・生活用品の店舗機能も備えていること、誰もがいつでも相談できるような相談機能も備えていること。が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した障害者の活動拠点の事例収集調査及び数カ所の活動拠点への訪問調査を行いインタビュー調査を実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画したさらなる活動拠点への訪問調査及び地域コミュニティの変遷と活動拠点の変遷に関する調査を実施する。
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Causes of Carryover |
当初計画していた訪問調査の実施数が計画を下回ったことと訪問調査で得た資料の整理が不十分であり,実施計画に沿って適切に進める。
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