2023 Fiscal Year Research-status Report
兵庫県内の自治体が運営する空き家バンクの登録・活用促進に関する研究
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23K04198
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
安枝 英俊 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60402971)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 空き家バンク / 兵庫県 / 自治体 / NPO法人 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、兵庫県内の自治体が運営する空き家バンクの登録・活用を促進する方策を明らかにすることを目的として、①空き家バンクの運営実態に関する分析、②空き家バンク登録の阻害要因の分析、③登録物件を賃貸物件として活用するための実践的検討を行うものである。2023年度は、主として①空き家バンクの運営実態の分析を実施した。 空き家バンクの運営方法については、兵庫県の中播磨・西播磨・但馬地域の自治体の空き家バンク運営担当者に対して、空き家バンクの周知方法・課題、移住後のトラブルを未然に防ぐための地域との関係づくり、不動産事業者との協力関係づくり等について、質問票による調査を実施した。また、空き家バンクの登録相談対応をNPO法人に委託している自治体、登録時に媒介業者と契約をしていなくても空き家バンクに登録できる自治体、成約前に利用希望者と地域の自治会長が対面する機会を設けている自治体など、特徴的な運営をしている空き家バンクについて、その特徴を相互に比較分析できる主体間関係図を作成した。 さらに、兵庫県の中播磨・西播磨地域の自治体より、平成27年度から令和4年度までの8年間における成約物件に関する売却・賃貸価格、築年数、登録日数のデータの提供を受けることができた。成約物件のうち、売却物件が約9割、賃貸物件が約1割であり、登録日数については、約9割以上の物件が3年以内に成約しており、成約までに3年以上を要する物件は、築40年以上のものが約8割であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空き家バンクの運営実態の分析について、中播磨・西播磨・但馬地域の自治体を対象とした調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
空き家バンクの運営実態に関する分析については、兵庫県の西播磨・中播磨地域の自治体を対象とした調査を実施した。今後は、これまでの調査で得られた知見を踏まえ、兵庫県下で空き家バンクを運営している自治体に対するアンケート調査を実施する。その上で、特徴的な運営をしている自治体や、運営に関わるNPO法人を抽出し、個別ヒアリングを通じて、運営ノウハウを構築したプロセス等について分析する。 空き家バンクの登録物件の活用については、利用希望者に対して個別に物件見学ツアー等を実施している自治体もあり、このような自治体に対して、ツアーの効果や意義についてのヒアリング調査を実施する。
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Causes of Carryover |
空き家バンクの運営実態に関する調査について、当初は個別に自治体を訪問することを予定していたが、質問紙による調査を実施することができたため、旅費、および、記録作成補助のための謝金が不要となり、次年度使用額が生じた。 次年度使用額については、特徴的な運営をする自治体や、運営を委託されているNPO法人に対する個別の聞き取り調査のための旅費や謝金として使用する予定である。
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