2023 Fiscal Year Research-status Report
Integrated Models for Resilience and Sustainability Supply Chain Networks
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23K04273
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
片山 直登 流通経済大学, 流通情報学部, 教授 (20194780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 宏輔 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (40784343)
鈴木 理沙 流通経済大学, 流通情報学部, 准教授 (60735661)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | サプライチェーンネットワーク / レジリエンス / サステナビリティ / ネットワーク設計 / 数理計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の研究の整理: これまでに発行された国内外のサーベイ論文に基づき, レジリエンス・サステナビリティを考慮したサプライチェーン・ロジスティクスネットワークに関連する文献を調査した.続いて,数理最適化モデルおよび最適化・近似解法を含むレジリエンスおよびサステナビリティを考慮したネットワーク設計問題に関する文献について,レジリエンス・サステナビリティモデルの条件,近似解法・最適解法,並びに事例分析対象を整理し,分類した. レジリエンスおよびサステナビリティを考慮したネットワーク設計モデルは,対象とする事例に強く依存したモデルが大半であり,新たな目的関数,新たな変数および新たな条件を付加することをもって,新しいモデルとして提案されており,数理モデルとしては同一として扱えるにもかかわらず,異なる変数やパラメータを与える傾向にあることを示した.あるモデルでは3種類の目的関数,(0-1条件・非負条件・上限制約を除く)35種類の制約式,21種類の変数,および 94種類のパラメータと確率変数を使用するまでに至っている. ノードとアーク設計による一般化モデルの開発:多階層の施設をネットワーク上のノード,施設間の経路等をアークとして統一的に表現し,原料フローと製品フローの合流を考慮し,容量,拡張容量および途絶率等を持つノード設計変数とアーク設計変数からからなるレジリエンス・サステナビリティモデルの一般化モデルを開発した. アーク設計による一般化モデルの開発:多階層の施設および施設間の経路等をアークに集約して表現し,原料フローと製品フローの合流を考慮し,容量,拡張容量および途絶率等を持つアーク設計変数からなる一般化確率モデルを開発した. これらの一般化モデルは,ネットワークの任意の階層,任意の施設,任意の経路,任意の品種,任意の廃棄地点,任意の製造地点などを柔軟に表現できる確率モデルである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
レジリエンスおよびサステナビリティを考慮したサプライチェーンに関連しては,膨大な数の研究が発表され続けており,前提や条件が多岐にわたるため,従来のモデルの整理に多くの時間を必要とした.そのため,開発した一般化モデルでは,必ずしも,従来のモデルにおけるすべての変数や条件を網羅できておらず,新たに提案されたモデルの条件や変数に対応ができない場合も発生している.このため,さらなるモデルの改良と拡張を伴う一般化モデルの開発が必要である. 提案したアーク上のフローを用いたモデルでは,大規模なモデルに対する効率的な数理解法の開発が困難である.このため,パス上のフローを用いたモデルおよびパス上のフローに対する列生成法の開発が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では,現時点までに開発したモデルを基礎として,パス上のフローを用いたモデルおよびパス上のフローに対する列生成法を開発する.続いて,新たな強い妥当不等式を含む整理された一般化モデルを開発し,研究代表者が開発済みのマスヒューリスティクスの適用可能性を検討する.レジリエンスを組み込んだ全体最適化確率的モデルを構築し,最適化モデルのマスヒューリスティクス解法を開発し,解析システムの開発を行う. 研究が計画どおりに進まない場合,前提・条件を精査し,マスヒューリスティクスにおける最適化ソルバーの適用範囲の調整,貪欲解法やシミュレーションモデルへの移行等を検討する.確率的なモデルを含むため,数多くのシナリオモデルを解くことを繰り返す必要がある.このため,複数コアCPUをもつPCの準備と,複数PCによる並列計算の効率化を検討する. 2025年度では,全体最適化確率的モデルと解析システムを用いて,数値解析および事例分析を実施する.
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Causes of Carryover |
2023年度に新規のデスクトップパソコンの購入を行わなかったためである.次年度に,マルチコアCPUの更新と併せて購入を行う.
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