2023 Fiscal Year Research-status Report
高速衝突下における多孔質構造を有する金属代替マテリアルの耐衝撃性能調査について
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23K04319
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
西 雅俊 熊本高等専門学校, 生産システム工学系MIグループ, 講師 (40633954)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 多孔質材料 / 耐衝撃性能 |
Outline of Annual Research Achievements |
工業製造物のほとんどが緻密体なのに対し,自然界の物は木材・植物・生体骨のように,内部に多数の空隙や気孔のある多孔質構造のものが数多い.多孔質構造は軽量であり,良好な通気性や透過性,また比表面積が大きい構造なため,エネルギー吸収性・吸音性など,緻密体にない様々な特性を有する.これらの特徴は,航空機など輸送機器の軽量化による燃費向上,小型で高効率の熱交換器など,持続可能な社会づくりのための取組みに応用されている.動的荷重(高速衝突)に対して耐衝撃性能が高く,軽量かつ高強度の多孔質構造およびベースマテリアルの組み合わせを提案する.具体的には,これまでの応募者の研究で明らかにしている工業用純銅における耐衝撃性能の高い多孔質構造を,金属の代替マテリアルをベースマテリアルとして3Dプリンターで造形する.その後,高速衝突である衝撃銃による実験,さらに実験と同一条件の数値解析により,高い耐衝撃性能,すなわち,高いエネルギー吸収能力を持つ“ベースマテリアル”および“多孔質構造×ベースマテリアル”の組合せを提案することが目的である. 衝撃解析ソフトウェア ANSYS AUTODYNにより数値解析を行い,圧縮変形挙動,圧力履歴等の実験結果との比較や成形過程中の材料内部の圧力を調べ,多孔質材料の構造が耐衝撃性能にどのように寄与しているかを調べている.これまでに,金属代替マテリアルであるカーボンファイバーおよびナイロンベースの素材等について,主に数値解析による耐衝撃性能を調べている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衝撃解析ソフトウェア ANSYS AUTODYNにより数値解析を行っている.数値解析モデルでは,すべての材料(ターゲット板の鋼板,試験体の金属代替マテリアルなど)をラグランジュ要素メッシュでモデル化する.材料モデルとして,衝撃問題に特化したMie-Gruneisen型の衝撃ユゴニオ方程式および加工硬化,ひずみ速度依存性,温度依存性が考慮できるJohnson&Cook構成則を利用し,各々の金属代替マテリアルの材料パラメータを適用する.これまでに,金属代替マテリアルであるカーボンファイバーおよびナイロンベースの素材等について,主に数値解析による耐衝撃性能を調べている.
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Strategy for Future Research Activity |
数値解析を進めるとともに,実験検討も行う予定である.実験結果も含めて,それぞれの動的荷重(高速衝突)実験における耐衝撃性能,すなわち,プラトー領域を比較することで,多孔質構造およびベースマテリアルの違いが,耐衝撃性能にどのように寄与しているのかを調べる.
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Causes of Carryover |
旅費を未使用のため,次年度使用額が生じた.今後は,研究成果発表のための学会発表に参加予定である.
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