2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a highly efficient induced culture production method for anticancer drug paclitaxel
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23K04514
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
山本 進二郎 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (40262307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 均 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (60451283)
林 修平 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (30389522)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | パクリタキセル / 植物細胞培養 / 二相培養系 / エリシター / フィードバック阻害 / タキサン類タキサン類 |
Outline of Annual Research Achievements |
疎水性イオン液体1-butyl-1-methylpyrrolidinium bis(trifluoromethanesulfonyl)imideと培地を含む液液二相系に、抗がん剤パクリタキセルの生産能をもつイチイ培養細胞を播種して培養を行うと、培養細胞のパクリタキセルの生産性が向上する知見を得ており、この要因として、培養液からイオン液体へのパクリタキセル抽出効果とイオン液体自身のエリシター的作用が考えられていた。イオン液体によるパクリタキセル抽出効果を検討するために、イオン液体のみを適宜交換する培養を行ったところ、パクリタキセルと関係するタキサン類の生産量が向上し、パクリタキセル抽出効果が大きいことを見出した。また、イオン液体のエリシター的作用としては、そのストレス性にあると予想し、酸化ストレスの指標となる活性酸素種(ROS)とパクリタキセルのそれぞれの生産量との関係を検討した結果、正の関係があることが実験的にわかり、イオン液体のエリシター的作用の原因はそのストレス性にあることもわかった。この結果を国際専門誌に投稿し、掲載されている。(D. NAGATA, W. NISHIKAWA, Y. IZAKI, S. YAMAMOTO, S. HAYASHI, and H. MIYASAKA, Effective Production of Paclitaxel and the Related Taxanes in a Plant Cell Culture by in situ Extraction with Sequential Refreshment of Water-Immiscible 1-Butyl-1-methylpyrrolidinium Bis(trifluoromethanesulfonyl)imide, Solvent Extr. Res. Dev., Jpn., 30, 169-175, 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疎水性イオン液体1-butyl-1-methylpyrrolidinium bis(trifluoromethanesulfonyl)imideを含む培地にイチイ培養細胞を播種して行う二相培養系において、イオン液体を交換する培養を行ったところ、パクリタキセルと関係するタキサン類の生産量を向上でき、国際専門誌Solvent Extr. Res. Dev., Jpn.に掲載された。さらに、エリシターとして注目されるコロナチンを加える二相培養系の実験を行うことによって、パクリタキセル生産性をより高めることに成功し、引き続き研究を進めている。また、イオン液体に代わる媒体として有望な疎水性固体であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や安価なポリプロピレン(PP)を利用し、これらの固体の添加培養によるパクリタキセル生産を向上させる培養法の検討を行っている。 以上の研究が進んでいることから研究の進捗状況は概ね進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
疎水性イオン液体と培地を含む二相培養系において、パクリタキセルと関係するタキサン類の生産性向上を目指し、エリシターとして有名なコロナチンを添加する培養を行い、さらにイオン液体を交換する培養も試みる。また、この二相培養系に水溶性の5-アミノレブリン酸などの細胞活性を向上させる物質を加え、パクリタキセルの飛躍的な生産を試みる。 イオン液体からパクリタキセルを効果的に逆抽出するため、沸点の小さい様々な有機溶媒などを検討する。いずれの実験においてもパクリタキセルが主なターゲット物質であるが、関係するタキサン類(10-デアチルバッカチンIII、バッカチンIII、セファロマンニン)も測定する。 また、イオン液体に代わる媒体として疎水性固体を利用する培養実験も進める。疎水性の大きなポリテトラフルオロエチレンや安価なポリプロピレンはパクリタキセルの回収に有効な知見を得ているため、パクリタキセルの培養生産に及ぼすこれらの固体の添加効果を実験的に検討する。 以上の検討からイチイ培養細胞によるパクリタキセルを高効率に誘導生産させる新規培養法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
生じた残額 9,334 円は少額で試薬の購入ができなかったため、次年度の試薬の購入に充当する予定である。
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