2023 Fiscal Year Research-status Report
ナノコンプレックスによる個別化複合がん免疫療法の開発
Project/Area Number |
23K04555
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
李 霞 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, 主任研究員 (50750684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白幡 直人 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, グループリーダー (80421428)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 個別化 / 複合がん免疫療法 / 光感受性 / アジュバント / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、個別化複合がん免疫療法用ナノコンプレックス材料の化学的な合成条件とその物理化学的特性との関連性を調べることで、その物理化学的特性を制御できる合成方法を見つけた。反応物濃度、合成温度、時間等を制御することによって、ナノコンプレックス材料のサイズ、構造、表面電荷などを走査型電子顕微鏡、X線回折装置、粒度分布およびゼータ電位測定装置によって評価した。また、ナノコンプレックス材料の濃度を変化させて腫瘍細胞の培養系に添加し、近赤外線を照射した後、生・死細胞検出キット、免疫原性細胞死マーカー等を用いて評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画で計画していたように、光感受性ナノ粒子と多孔質アジュバント材料を統合し、ナノコンプレックス材料を合成した。近赤外光外部照射により、このナノコンプレックス材料が細胞実験でがん細胞の免疫原性細胞死を誘導し、抗原提示細胞を活性化することが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ナノコンプレックス材料の組成、構造、表面官能基などのパラメータを制御することで、材料の特徴と近赤外光外部照射によりin vitro免疫原性細胞死の誘導や免疫活性との因果関係を明らかにする。また、生体内での近赤外光外部照射によりがん細胞の免疫原性細胞死を誘導し、抗腫瘍免疫を活性化させることを検証する予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた、ナノコンプレックス合成用試薬等の購入費が少なく済んだため。 次年度使用額を用いて免疫細胞化学等の試薬を使用する予定である。
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