2023 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism elucidation of magnetization angle dependence of magnetic damping and its application to magnetic memories
Project/Area Number |
23K04575
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 利映 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (10635303)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | Spintronics / スピントロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
理論計算によるFe薄膜単体のダンピング定数と過去の実験研究の文献(H. Xia et al., Phys. Rev. B, 104, 024404 (2021))の値とを比較すべく、計算環境の構築を進めている。計算のハードウェアに関しては、HPC-ProServer DPeR760xs -y231の納品までを済ませた。第一原理計算コードのVASPを用いた計算プログラムの作成に向け、Kamberskyのトルク相関モデルのフォローを、スピントロニクスのための計算機ナノマテリアルデザイン(吉田博 編著, 内田老鶴圃)中の三浦良雄著の「第9章 スピントロニクス・インターフェースデザイン」とGabriel Autes et al., J. Phys.: Condens. Matter 18 6785 (2006)を参考にして進めている。 熱浴相関時間の分布に起因するTMR センサーの1/f ノイズについて理論解析も行った。一般化ランジュバン方程式から低周波数領域における電圧ノイズのパワースペクトルの解析式を導出し、パワースペクトルが周波数に反比例する、すなわち1/fノイズであることを示した。低周波磁気ノイズに関する他の先行研究の結果との明らかな違いは、パワースペクトルが熱浴相関時間の分布に依存することである。また、本研究で提案した理論モデルから導出したノイズ強度とセンサー感度のバイアス磁場依存性は、「T. Nakatani et al., Appl. Phys. Lett. 121, 192406 (2022)」で報告された実験結果を定性的によく再現する。さらに、提案した理論モデルに基づき、TMR センサーが高い検出能力を持つバイアス磁場を予測することにも成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ライフイベントに伴う体調不良と休業のため。
|
Strategy for Future Research Activity |
VASPを用いた計算プログラムの作成を済ませ、Fe薄膜単体のダンピング定数の計算を行い、計算方法の妥当性を確認を行う。その上で、高い垂直磁気異方性を持つMgO(001)上の超薄膜のFe 1原子層~10原子層を対象とし、ダンピング定数の磁化角度依存性を調べる。続いて、過去の実験結果の報告に対応させて、L10型FePtとその規則度を落としたものに対して、磁化角度依存性を計算する。
|