2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of long-lived sub-nm metal catalysts on two-dimensional supports -catalyst dynamics under operating conditions
Project/Area Number |
23K04577
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
國貞 雄治 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00591075)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / サブnm触媒 / グラフェン / 拡散 / 単原子触媒 / 吸着子 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は二次元材料担持サブnm金属触媒の実環境下での触媒ダイナミクスの解明を目指し,触媒担体上での金属触媒の吸着・拡散特性における原子・分子吸着の影響を密度汎関数理論に基づく第一原理電子状態計算を用いて調査した.まず,触媒担体として軽元素置換グラフェンに着目した.グラフェンへ置換する軽元素としてB, N, O, Si, P, Sを,金属触媒として白金単原子と白金ダイマーを,金属触媒上の吸着子としてH, H2, O, O2, C, CO, CO2, N, N2, NO, OH, H2Oを取り扱った,まず,白金単原子においては原子や分子が吸着することによって,軽元素置換グラフェン上における吸着エネルギーが減少する場合と増加する場合が存在し,複雑な吸着子依存性が存在することが分かった.いくつかの吸着子においては吸着エネルギーが大きく変化したが,多くの吸着子においてはその変化量は0.5 eV以下であった,また,軽元素置換グラフェン上での白金ダイマーの吸着エネルギーにおいては,原子や分子の吸着によって白金単原子の場合よりも値が大きく変化することが明らかとなった.さらに,白金単原子と白金ダイマーでは吸着子ごとの吸着エネルギーの増減方向が逆転する場合も見られた.同様に,金属触媒の拡散特性に与える影響の吸着子依存性も複雑であった.そのため,吸着子の電気陰性度などのパラメータで結果を簡潔に整理することができず.そのメカニズムの解明には各組合せごとに詳細な電子状態解析が必要であることが分かった. これらの成果を1件の国内会議にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は二次元材料担持サブnm金属触媒の実環境下での触媒ダイナミクスの解明を目指し,触媒担体上での金属触媒の吸着・拡散特性における原子・分子吸着の影響を密度汎関数理論に基づく第一原理電子状態計算を用いて調査した.触媒担体として軽元素置換グラフェンを取り扱った.グラフェンへ置換する軽元素を6種類,金属触媒を2種類,触媒上の吸着子を12種類取り扱い,系統的に調査を行った.得られた知見は,二次元触媒担体材料上での金属触媒の吸着・拡散特性における原子・分子吸着の影響を解明するためのデータベースとして有用であり,二次元材料担持サブnm金属触媒の長寿命化の実現において非常に重要なものである.また,一部の触媒担体・金属触媒・吸着子の組み合わせにおいては,金属触媒の凝集・再分散特性に関する調査を行った.以上の点から,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は二次元材料担持サブnm金属触媒の実環境下での触媒ダイナミクスの解明を目指し,触媒担体上での金属触媒の吸着・拡散特性における原子・分子吸着の影響を密度汎関数理論に基づく第一原理電子状態計算を用いて調査した.令和6年度は,吸着・拡散特性に加え,金属触媒の凝集・再分散を含んだ金属触媒のダイナミクスを取り扱い,様々な環境下における安定な触媒サイズとその決定要因の解明を目指す.また,吸着子に加え,溶媒や電位印加の影響も評価する.
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Causes of Carryover |
令和5年度に予定していた国際学術論文誌への論文投稿と国際会議への参加を行うことができなかったため,英文校正料と国際会議参加費,海外旅費として予定していた予算を使用することができなかった.令和6年度には国際学術論文誌への論文投稿を2報行い,令和6年度分として請求した助成金と合わせ,2件の英文校正料を支出する予定である.また,国際会議への参加に関する予算の繰り越し分は,令和6年度に請求した助成金と合わせワークステーションの購入へ使用する予定である.また,令和6年度には研究成果を保存するための大容量ハードディスクドライブ,2件の国内学会と1件の国際会議に参加するための旅費と参加費も支出する予定である.
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