2023 Fiscal Year Research-status Report
Electron transport analysis at diamond-related interfaces for development of MOS devices
Project/Area Number |
23K04580
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
猪熊 孝夫 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (50221784)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / 半導体 / 表面・界面 / キャリア輸送 / 密度汎関数法 / 非平衡グリーン関数法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,密度汎関数(DFT)法による電子状態計算とNEGF法による量子輸送シミュレーションの組み合わせにより,界面の微細構造に基づいたキャリア輸送特性を解析する。今年度は,当研究課題の研究計画における初年度であり,当初の計画どおり,主として絶縁体/ダイヤモンド界面の電子状態およびキャリア輸送特性の解析を実施した。当研究室で開発した反転層型ダイヤモンドMOSFETのゲート絶縁膜には、原子層堆積法により形成した非晶質 Al2O3 が使用されている。そこでAl2O3/ダイヤモンド(111)界面をモデリングするために、古典分子動力学法を用いて非晶質 Al2O3の初期構造を作成し、さらにDFT法によって構造最適化を行なった。得られたAl2O3/ダイヤモンド界面モデルについて静的電子状態と電子輸送特性について計算した。それらの結果を解析した結果,Al2O3/ダイヤモンド界面においては,未結合種の面密度が大きく異なり,ダイヤモンド表面にはAl2O3に結合しない未結合種あるいはOH終端構造が存在することが推定された。一方,過去に研究を行ったOH終端ダイヤモンド(111)表面についてのキャリア輸送解析の結果と,今回得られた結果を比較すると,今回の結果はキャリア透過率が大きく減少しており,界面の不均一性が伝導特性に影響を与えることが示唆された。以上のことから,界面の構造乱れをキャリア透過特性の相関を,より系統的に調べる必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり,R5年度中にAl2O3/ダイヤモンド界面モデルを構築し,電子状態およびキャリア輸送特性の解析に着手することができたため,評価(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に構築したAl2O3/ダイヤモンド界面モデルについてさらに詳細な解析を進め,構造乱れと電子輸送特性の相関を明らかにする。さらに令和6年度は,新たにダイヤモンド/金属界面モデルを構築し,界面におけるバンドオフセット等の電子状態や界面伝導特性について,金属の種類,ダイヤモンド表面終端構造,および不純物ドーピングによる変化を研究する。また,新しい終端構造の提案のための準備として,文献調査等を開始する。
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Causes of Carryover |
年度末の3月に行った学会出張旅費の必要額が予想よりも低かったため,次年度使用額が生じた。
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