2023 Fiscal Year Research-status Report
Lensless quantitative complex-amplitude imaging using a designed point spread function
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23K04615
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
野村 孝徳 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80222206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
最田 裕介 和歌山大学, システム工学部, 講師 (30708756)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | レンズレスフォトグラフィ / 符号化開口 / マルチアパーチャー / 超解像 |
Outline of Annual Research Achievements |
レンズレスフォトグラフィでは,物体からの光波を符号化開口により変調し,撮像素子を用いて物体の強度分布を取得する.取得した強度分布に対して再構成処理をおこなうことにより物体像の再構成をおこなう.しかし,撮像素子面において取得できる強度分布は,符号化開口を用いることにより物体の強度情報の欠落やばらつきが生じる.レンズレスフォトグラフィによって得られる再構成像は,物体の強度分布に生じた物体の強度情報の欠落やばらつきの影響を受け,再構成像品質が低下してしまうという問題がある. そこで,符号化開口のみが異なる同一の光学系で得られた複数の強度分布を用いて物体像を再構成し,再生像画質の向上を目指した.符号化開口が異なることは点像分布関数が異なることと等価であり,本研究の成果は点像分布関数のダウンサンプリング(研究計画調書記載)への指針となり得る.画質改善手法として,平均を用いた手法およびマルチフレーム超解像アルゴリズムを導入した手法を提案した.前者は後者に比べて計算コストが低いという長所がある反面,再構成像品質の点では後者よりも劣るという短所がある.しかしながら,両手法とも再生像品質が向上することを実験的に示すことができた.複数の符号化開口の相関と再生像品質の関係を明らかにするこも試みたが,明確な指針は示すことができなったが,何らかの関係があることまでは判明している. また,異なる符号化開口を用い,複数の強度分布を取得することは露光回数(撮影回数)の増加に直結するため,実用を考えると望ましいことではない.そこで複数の異なる符号化開口から構成されるマルチアパーチャー光学系を構築し,同時に複数の強度分布を取得することにも成功している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の段階では,点像分布関数のダウンサンプリングによるレンズレスフォトグラフィの較正行列の要素数の削減のためのダウンサンプリングの方法を決定する予定であった.しかし,研究を進めていく過程で,一度の露光(一枚の強度分布)のみからの再構成では高品質の再生像が望めないことに直面し,年度の途中から複数の強度分布(複数の符号化開口により得られる強度分布)から品質の高い再生像を得ることに計画を変更した. 単純な平均を求める方法や当初は予定していなかったマルチフレーム超解像アルゴリズムの導入など,新たな視点でレンズレスフォトグラフィの研究を推進することができた.また点像分布関数を生じさせる符号化開口間の相関値,符号化開口の枚数(強度分布の枚数),再構成画像の品質の関係を明らかにするための実験を多数試行しているところである. 以上のことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,符号化開口間の相関値,符号化開口の枚数(強度分布の枚数),再構成画像の品質の関係を明らかにすると同時に,点像分布関数のダウンサンプリング法の研究を進める.また,効率よく複数の符号化開口による強度分布の取得をおこなうための方法についても研究を進める.これには偏光符号化開口や波長符号化開口の導入を考えている. 国際会議等における発表を通じて,同分野や異分野の研究者との交流を深め,レンズレスフォトグラフィの新たな手法の着想や応用分野の開拓にも挑む. 定量複素振幅イメージングへの応用を考えているが,そのためには他の定量複素振幅イメージングについての知見を深める必要が必修であり,そのことについても精力的に取り組む.
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Causes of Carryover |
追加の光学素子を購入する予定であったが,在庫がなく年度内の購入が不可能であったために購入を見送った.翌年度に今年度購入予定であった光学素子を購入する予定である.
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