2023 Fiscal Year Research-status Report
原子力発電で発生する混合廃棄物の安全性評価指標の構築に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
23K04626
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 直子 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20624711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森永 祐加 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (20854433)
植松 慎一郎 北海道大学, 工学研究院, 助教 (30882550)
小崎 完 北海道大学, 工学研究院, 教授 (60234746)
湊 大輔 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (60767268)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 低レベル放射性廃棄物 / 混合廃棄物 / セメント固化 |
Outline of Annual Research Achievements |
商用原子力発電所の廃止措置の進展に伴い、解体廃棄物に加えて、発電所に保管されている運転廃棄物の処理・処分が必要となる。これらの廃棄物には、放射性核種に加えて、鉛、六価クロムなどの重金属、PCB、アスベスト、高濃度の塩など環境影響物質が混在する混合廃棄物が含まれるが、現状では混合廃棄物の処理・処分のルートは確定していない。本研究では、放射性廃棄物全体の中での各環境影響物質の潜在的危険度を把握した上で、優先順位の高い代表的な環境汚染物質を抽出してセメントによる固定化やバリア材による保持など、相互作用のメカニズムに関する基礎研究を行う。 令和5年度には、高濃度の塩を含むセメント固化体に着目し、放射性核種のセメントによる固定可能を評価する手法を確立した。その手法を用いて、高濃度の硫酸ナトリウムを含有するセメント固化体からのCs-137の脱離挙動を評価し、セメントの微細構造との関係正から検討した。その結果、Cs-137を未水和のセメントと混錬しセメントの水和反応が進行する過程にCs-137が共存することで、水和後のセメントに収着させる場合よりも収着分配係数が一桁大きくなること、Cs-137の収着における硫酸ナトリウムによる影響は顕著ではないことがわかった。 今後は、核種及び有害物質の種類を増やし、セメントによる核種、有害物の固定化のメカニズムについて評価するとともに、合理的・効果的な安全性評価指標について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射性核種を混錬してセメント固化体を模擬した試料を調製し、核種の脱離挙動を評価する手法を確立することが課題であったが、Cs-137を対象として基礎実験を実施することが可能となった。今後、異なる放射性核種、環境影響物質についての実験を進める計画である。このように計画事項として挙げていた点について着手し、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度には、放射性核種や塩の種類を変えて、セメントの微細構造の変化と放射性核種の脱離挙動の関係についてより詳細に検討を行う計画である。また、重金属などの環境影響物質についてもセメントとの相互作用のメカニズム解明に着手する。さらに、放射性核種、環境影響物質の潜在的危険度の評価に着手する。
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Causes of Carryover |
先行実験で調製した試料を利用して実験を行ったため、消耗品費が発生しなかったため。消耗品の購入、国際学会発表のための旅費、研究補助員の人件費にて使用予定。
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