2023 Fiscal Year Research-status Report
もみ殻の新規資源化プロセス開発:有用成分の逐次分離による高度利用法の確立
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23K04651
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
本郷 照久 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (50434303)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | もみ殻 / 酸加水分解 / キシロース / ヘミセルロース |
Outline of Annual Research Achievements |
米のもみ殻は非可食性バイオマスであり、その有効活用が期待されている。本研究では、もみ殻に含まれる有用成分を逐次的に分離し、それぞれを効果的に活用する方法の確立を目指している。 最初に、本研究で用いるもみ殻の成分分析を行った。データージェント法により求めたセルロース、ヘミセルロース、リグニンの含有率は、それぞれ41mass%、18 mass%、16mass%であった。また、灰分の含有率は約91%であり、そのうちの90mass%以上がシリカ(SiO2)であることが分かった。灰分にはシリカ以外にも微量ではあるが、MgO、P2O5、K2O、CaO、MnO、Fe2O3などが含まれていた。 本年度は、もみ殻に含まれるヘミセルロースを選択的に酸加水分解し、キシロースが生成する条件を検討した。もみ殻は蒸留水で十分に洗浄した後に粉砕し、粒度を250~500μmに調整した。もみ殻を0.10~2.0mol/L硝酸水溶液に入れ、撹拌しながら80~100℃で還流し酸加水分解を行った。生成物は高速液体クロマトグラフにより分析した。0.10mol/Lの硝酸水溶液を用いたときは、反応温度の上昇に伴ってキシロースの生成量が増加した。そこで、酸加水分解の反応温度は100℃で行うこととし、硝酸水溶液濃度を変化させて最適なキシロース生成条件を検討することにした。その結果、硝酸水溶液濃度が0.10mol/Lから2.00mol/Lの間に、最適なキシロース生成条件があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた実験を遂行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
キシロースの最適な生成条件をより詳細に検討する。キシロース生成後の残渣には、セルロースやリグニンが含まれていることが考えられるため、その成分分析を行う。
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Causes of Carryover |
購入予定であった装置を他所から借りることができ、購入する必要がなくなったため。 次年度使用額が生じたため、次年度に購入を予定している装置に関しては、より上位の機種を検討する。
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