2023 Fiscal Year Research-status Report
混相流の動的数値解析に基づくバイオマス間接ガス化プラントの熱媒体利用の最適化
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23K04653
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
堂脇 清志 東京理科大学, 創域理工学部経営システム工学科, 教授 (50339115)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 間接熱分解プラント / タール2次分解 / ヒートキャリア / 熱伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
LCA指標を評価軸として、バイオマスガス化による水素製造プラントにおける熱移動現象について、動学的モデルアプローチと実証データとの比較により検討を実施している。本研究においては、間接熱分解プラント(原料:下水汚泥,プラント規模:日量1t /日)を対象としている。 本研究においては、当該プラントの熱供給方式が、アルミナボールによる熱媒体(HCs)により間接的に供給されることから、これまで原料との熱の接触、タールの分解、一方で熱損失が課題となっている。そのため、予熱炉でのHCsの熱フラックスの向上を目的として、熱分解時に排出されるチャーの利用を想定した改善を目的としている。まず本年度においては、酸化雰囲気下におけるチャーの燃焼とHCsの熱伝導を測定する目的で実験装置(熱線法)を製作した。なお、次年度においては、最初にチャーを入れない状態での熱伝導試験を行い、次に、チャーの燃焼を考慮したHCsの熱伝導測定を行う予定である。一方で、移動するHCsの炉内温度分布とガス組成に関する動的流体モデル(CFD)によるモデル化が完成し、さらに、ガス組成及びタールの分解挙動を反映させるプログラムの開発を行っているところである。また、当該プラントで主な影響を与える軽質タールについて基礎実験を踏まえて検証を行った。ここでは、セルロース由来のタール(ナフタレンを想定)、及びリグニン由来のタール(ベンゼンを想定)の2次分解速度を熱天秤(TG-51H, 島津製作所)とオンライン質量分析計(BELMASS, マイクロトラック・ベル)により、2次分解温度範囲(概ね800℃から1,100℃)にて発生する水素濃度の測定することにより、これらのタールの2次分解速度を評価した。その結果をCFDモデルに反映を検討しているところである。なお、温度等によるタールの成分については、別途、協力企業を通じて検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨今の世界情勢に呼応して、材料費などの高騰等に伴い、本研究で使用する実験装置の製作及び納期に影響を生じたが、別途、設計変更等を行い、装置も完成している。また、実験項目についても当初の計画の内容の順番を変更し、その結果全体としては、概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の進捗を受け、2024年度は以下の項目を実施予定である。 ①HCs の熱伝導率測定(自作試験装置)による熱線法による熱伝導率の測定を行う。なお、本研究においては、チャーの随伴を想定し、再度、加熱炉内で、チャーの燃焼した場合の熱伝導率の向上の効果を検討する。また、チャーの軟化点及び溶融点のデータ取得も行う予定である。 ②次に、タール分解挙動を考慮したCFDシミュレーションの開発及び妥当性の検証を行う。ここでは、①の結果を反映したシミュレーションプログラムの開発を行う。 ③最終年度に向けた方策として、プラント全体のプロセスシミュレーションの内容の確認及び開発する。なお、③のプロセスシミュレーションは、予算の関係から、当初予定していたプロセスシミュレーターAspenPLUSからAVEVAに変更する予定である。 ④その他、協力企業が米国コネチカット大学ならびに本学との実証事業を開始することになったため(まずはFS調査)、国際共同研究の枠組みで可能な範囲で、結果等について反映させる予定である。
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