2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of new ionic plastic crystals formed by Li or divalent cations
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23K04693
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
本多 尚 横浜市立大学, 理学部, 教授 (30295505)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 柔粘性イオン結晶 / 固体伝導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)Li, Naや2価イオンからなる新規柔粘性イオン結晶の開発と(2)柔粘性結晶の発現機構の解明である。(1)に関しては、陽イオンがLiイオンからなる新規柔粘性イオン結晶を発見し、論文として報告した。 論文の概要:種々のサイズのクラウンエーテルを用いたところ、12-C-4とLi-TFSA塩の組み合わせが柔粘性結晶になることを固体NMRを用いて解明した。また、Na塩に関しては柔粘性イオン結晶にはならないが複雑な結晶構造を持つことも明らかにした。 目的(2)に関しては、計画通りアルキルアンモニウムを陽イオンにし、そのアルキル鎖にイソプロピル基を導入し、新たに6個の柔粘性イオン結晶を発見した。これまでハロゲン化物イオンが陰イオンの場合、柔粘性結晶にはならないか、なっても非常に高温であったが、イソプロピル基の導入で室温で柔粘性結晶になるハロゲン化物を発見した。これはイソプロピル基の遮蔽効果が効いていると考えられ、柔粘性結晶の新たな側面が見えてきた。この成果は第17回分子科学討論会で報告し、現在論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では2-3年でLiイオンを含む柔粘性イオン結晶を発見する予定であったが、1年で達成でき。論文として発表できた。今年度は2価イオンを含む柔粘性イオン結晶の開発に重点を置い研究を進める。また、柔粘性結晶の発現機構の解明のために、イオンの運動性を制限した環状イオンも導入し、これまでの成果とあわせて考察を深めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に研究が進んでいるので、(1)と(2)の目的達成に向かって研究を進める。
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