2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of photocatalysis with noble metal nanoparticles that utilize weak light with high efficiency
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23K04823
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
横田 幸恵 上智大学, 理工学部, 助教 (70590678)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 光触媒 / プラズモニクス / 貴金属ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
金や銀などの貴金属ナノ構造に光を照射すると、ナノ構造表面近傍にプラズモン共鳴による光電場増強場を誘起することから、局所空間での新規光反応場として注目されている。本研究では、貴金属ナノ構造の結晶面、形状やサイズを精密に制御して高効率な反応場を構築し、可視から近赤外領域の微弱光で促進する新規プラズモニック光触媒を開発する。 2023年度は、可視から近赤外領域の微弱光を効率的に利用できる貴金属ナノ粒子合成を主に実験を実施した。PdやAuの形状の異なる単一金属ナノ粒子や多元素金属ナノ粒子などさまざまな金属ナノ粒子合成をおこなった。合成した粒子は形状やサイズを制御することで可視から近赤外に局在型の表面プラズモン共鳴を誘起することを明らかにした。 これまでに合成したPdの厚みの薄いナノ粒子を触媒として用いて可視光や近赤外光照射下で種々の条件で還元反応や鈴木・宮浦カップリング反応をおこなった。還元反応では吸光度測定から、鈴木・宮浦カップリング反応ではガスクロマトグラフィーとNMRにより、どの反応でも暗所下よりも光照射下で反応が促進することを明らかにした。さらに、合成したPtまた、Pt前駆体を用いたナノ粒子合成もおこなった。形状を制御することでPtナノ粒子は市販のデスクランプ白色LEDを照射し、数時間で蛍光色素の褪色が進行した。 構築した顕微ラマンシステムを用いて次年度以降、合成した種々の貴金属ナノ粒子を触媒として用いて光化学反応を顕微ラマン分光により追跡する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初はPdとAuの二元金属ナノ粒子を用いた系で研究を進めていく予定であったが、複数金属を用いたナノ粒子の合成に成功したため、種々の合成方法の確立を主におこなった。さらに、Ptナノ粒子では微弱な光源を用いても簡便に蛍光色素の褪色を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに合成した種々の金属ナノ粒子を触媒として用いて光化学反応を顕微ラマン分光により追跡する。Pdの厚みの薄いナノ粒子以外の合成した金属ナノ粒子を同様に触媒として用い、鈴木・宮浦カップリング反応や微弱光照射下での還元反応など触媒活性評価を実施する。
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Causes of Carryover |
2023年度は金属ナノ粒子合成手法の確立と光学特性評価の研究に予想以上に時間を要し、当初計画していた顕微ラマン分光計測を次年度実施することとしたため、その分、次年度使用額が生じた。 次年度は、顕微ラマン分光に関する実験改良のための光学部品を購入予定である。
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Research Products
(4 results)