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2023 Fiscal Year Research-status Report

循環する活性部位を持つ触媒による精密重縮合

Research Project

Project/Area Number 23K04839
Research InstitutionNara Institute of Science and Technology

Principal Investigator

安藤 剛  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60324654)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords精密重縮合 / 二官能型触媒 / ヒドロキシベンゾトリアゾール / L-プロリン / 重合制御
Outline of Annual Research Achievements

初めに本研究課題の核となる触媒の設計・合成を行った。触媒部位として、カルボン酸-アミンの縮合に有効なヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)骨格を選択し、リンカーを介して二分子の触媒部位が結合した分子を合成した。その後、重合の開始点(N末端キャッピング剤)となるアセチル基を触媒部位のHOBtに導入した。
得られた開始点導入二官能型触媒を用い、縮合剤である水溶性カルボジイミド(EDC-HCl)と組み合わせてL-プロリン(L-Pro)の重合を水中で検討した。L-Proの重合が進行し、重合溶液をアセトンに沈澱させることで生成ポリマーとしてpoly(L-Pro)を得た。生成ポリマーの分子量分析としてSEC測定を行ったが、従来のRI検出器による分析では系内の無機塩などによる大きな信号のために分析が困難であったのに対し、新たにUV検出器を用いた分析を行うことで、ポリマーの分子量分析が行いやすくなることを見出した。更に、重合時間を変えて分子量評価を行ったところ、重合開始から数時間の間は分散度の狭いポリマーが生成しており、重合が制御されている可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

重合触媒の合成はほぼ確立することができ、過去の手法よりもステップ数を若干減らすことに成功した。また、L-Proの重合においても、以前の研究では長い反応時間でのみ解析しており、重合初期の振る舞いが十分に調べられていなかったが、重合初期の生成ポリマーを解析することにより、特に初期には分子量分散度の狭いポリマーが得られていることがわかった。さらに、分子量、分子量分散度の評価方法の改善ができ、今後の生成ポリマーの評価が容易になった。

Strategy for Future Research Activity

初年度に達成した触媒の合成手段、ポリマー分析手段の改良を踏まえ、2年度以降では、触媒に導入する開始基の種類を変える他、重合の際の開始剤濃度、触媒濃度、モノマー濃度に加え、重合温度と重合溶液のpHなど多数のパラメータを変更して重合を行い、目標として分子量10,000以上のポリマーが得られる重縮合制御に適切な条件を見出す。さらに、各種アミノ酸の精密重縮合を検討する。特に、α-炭素上の置換基のかさ高さやN上の置換基の有無が重合の制御に与える影響に着目して検討し、適切なリンカー長、リンカーの柔軟性を明らかにし、触媒設計へフィードバックする。また、得られた知見を元に、アミノ酸NCAでは重合することができないβ-アミノ酸、ω-ヒドロキシカルボン酸などの縮合系モノマーへの拡張を図る。加えて、触媒分子の活性を向上させるために、[1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)構造の適用など、触媒分子の設計も見直す。

Causes of Carryover

初年度に導入予定であった紫外可視吸光度検出器および脱気ユニットについて、現有の物が使用できたため導入を先送りにした。しかしながら、老朽化が進んでいるため、第2年度において導入を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] アミノ酸の重縮合制御を目指した二官能型触媒設計と重合検討2023

    • Author(s)
      安藤剛、網代広治
    • Organizer
      第72回高分子討論会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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