2023 Fiscal Year Research-status Report
Visualization and Control of Polyolefin Adhesion Using New Contrast
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23K04846
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Research Institution | Comprehensive Research Organization for Science and Society |
Principal Investigator |
三田 一樹 一般財団法人総合科学研究機構, 中性子科学センター, 副主任研究員 (60967131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 洋平 京都大学, 化学研究所, 助教 (70911006)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 高分子 / 界面 / 接着 / 中性子反射率 |
Outline of Annual Research Achievements |
重水素化鉱物油(d-Oil)の合成、並びにポリオレフィンの変性に関する検討等を行い、所望の重水素化率や変性度が得られる条件を確立、ポリオレフィンをd-Oilに溶解させた試料溶液を準備することができた。次に、この試料溶液とシリコンウェハとの界面付近の構造観察を行うために中性子反射率法(NR)装置の探索を行った。性能や実験までのリードタイムなどの面から国内外のNR装置を比較検討した結果、初回の実験は豪州ANSTOに設置されたNR装置PLATYPUSを用いることとし、そこで用いるための試料環境装置の開発を行った。シリコンウェハと試料溶液を接液した状態で保持し、それを測定温度である100℃~140℃まで加熱できる装置を開発した。本装置を用いて測定条件を検討した結果、測定温度130℃で特定の試料溶液濃度とすることで、界面構造を定量的に評価できることが分かった。本試験結果を元に2回目の実験をJ-PARC MLF BL17 SHARAKUにて翌年度に計画、そこで使用するための試料環境装置の整備に着手した。使用温度上限が80℃の既存の試料環境装置を改造し、140℃での使用に耐えられるようにするための改造計画を完成させた。また翌年度以降に使用する予定の薄膜調製装置(スピンコーター)について、有機溶剤の使用に耐えられるよう安全対策を実施した。他には実験に用いる試料の基礎的評価として、示差走査熱量測定による融点や結晶化温度などの熱特性の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが、中性子反射率法による実験機会が当初の想定よりも少なくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
中性子反射率法の実験機会を確保するため、複数の実験施設に課題申請を行い、実験を計画する。その他は計画通り進められるよう遂行する。
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Causes of Carryover |
中性子反射率実験の実験機会が想定より少なかったため。次年度は実験機会を増やすため複数の実験施設に課題申請を行う計画である。
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