2023 Fiscal Year Research-status Report
ガラスおよびガラスセラミックスの高機能化に向けた高温高圧発生技術の開発
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23K04893
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
山田 明寛 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00543167)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 高温高圧 / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
ガラスの高温高圧処理はその高密度化に伴い高硬度化・高屈折率化・低分散化など、さまざまな物性の向上をもたらす。また、負荷する応力を制御することで等方性材料だけではなく、異方性をもつ材料も合成することができる。ガラス構造は負荷する応力によって徐々に変化するため、負荷応力の拡大はより優れた物性を有するガラス材料の合成に繋がる。 本年度は既設の準一軸型加圧であるパリーエジンバラ型加圧方式を用いて、高温高圧処理による異方性ホウケイ酸塩ガラスの合成に取り組んだ。得られたガラスについて、放射光X線を用いて、その異方構造を明らかにした。さらに、高温高圧X線回折実験により高温高圧下でのガラスの高密度化に伴う構造変化をその場観察した。これらの実験と並行して、新たに導入するDIA型加圧モジュールの設計についてより詳細な点まで検討を行い、次年度の導入に向けて最終調整を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、既に技術開発を行い実験実績のあるパリーエジンバラ型アンビルを用いた実験を進め、特に異方性ガラスについての研究を進めることができた。また、本研究課題で主となる技術開発であるDIA型モジュールの設計も大きく進み、具体的な導入計画を立てることができた。年度内での導入にまでは間に合わなかったが、次年度中には導入および予備的な実験にまでは十分に進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は前年度に検討、設計を行ったDIA型加圧モジュールを、当研究室既設の50 tonプレスフレームに導入する。導入後、室温下での圧縮試験を行い安定な加圧が可能であることの確認とともに圧力発生効率を調べる。安定な加圧が可能であることを確認後、加熱試験を行う。順調にいけば年度内に実際の試料を高温高圧セル中に設置し高密度化ガラスを合成する。また、本研究室での実験と並行して、放射光施設での高温高圧実験を行い、高密度化のメカニズムについての研究を進める。
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Causes of Carryover |
初年度に導入予定であったDIA型モジュールの購入を次年度に遅らせることとしたため。
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