2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of efficient synthetic methods for artificial nucleic acids aimed at improving activity and reducing toxicity of oligonucleotide medicines
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23K04930
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大澤 昂志 大阪大学, 大学院薬学研究科, 助教 (00783226)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 核酸化学 / 人工核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、架橋型核酸の化学構造と核酸医薬の薬効・肝毒性の相関関係を詳細に明らかにするためのオリゴ核酸中の架橋型核酸のピンポイント化学修飾法の開発を目指して研究に取り組んだ。具体的には、チオイミダート構造を有する架橋型核酸を導入したオリゴ核酸を種々アミン類で処理することでアミジン架橋型核酸に変換できないかと考え、種々の検討を行った。その過程で、チオイミダート架橋型核酸はpH6以下の弱酸性条件下で開環し、4'位にチオエステルを有する2'-アミノDNA(開環体)に変換すること、得られた開環体はpH8以上の弱塩基性条件下でアミンとチオエステルが反応して分子内環化が進行し、アミド架橋型核酸(AmNA)に変換されることを突き止めた。 我々はこの一連の反応に興味を持ち、チオイミダート架橋型核酸やその開環体の性質について深く追求することにした。はじめに、得られたオリゴ核酸の相補鎖DNAやRNA結合能を融解温度(Tm)測定により評価した結果、チオイミダート架橋型核酸やAmNAで修飾したオリゴ核酸が形成する二重鎖は、天然のDNA/DNA、DNA/RNA二重鎖と比較して非常に安定である一方、開環体を含むオリゴ核酸は二重鎖の安定性を大きく不安定化することが明らかになった。これはチオイミダート架橋型核酸が、オリゴ核酸の二重鎖形成能をpHにより制御可能な人工核酸スイッチとしての機能を有していることを示唆する結果である。さらに興味深いことに、Tm測定の結果を解析する中で、チオイミダート架橋型核酸の開環体は相補鎖核酸との二重鎖形成をトリガーに分子内環化が進行しAmNAへ変換する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたチオイミダート架橋型核酸からアミジン架橋型核酸への変換は未達成であるが、チオイミダート架橋型核酸が、オリゴ核酸の二重鎖形成能をpHにより制御可能な人工核酸スイッチとしての機能を有している可能性があるという、研究開始当初は期待していなかった非常に興味深い性質を見出すことができた。このように当初計画とは異なる形ではあるが、順調に研究成果を挙げることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
チオイミダート架橋型核酸からアミジン架橋型核酸への変換検討と並行して、チオイミダート架橋型核酸のpH応答性人工核酸スイッチとしての機能を実証するための実験を行う。現状は、チオイミダート架橋型核酸で修飾したモレキュラービーコン型ヘアピン二重鎖の合成と蛍光スペクトル測定を計画している。また、相補鎖核酸との二重鎖形成をトリガーにするチオイミダート架橋型核酸開環体のAmNAへ変換も興味深いので、相補鎖存在下での分子内環化反応についても検討を行う。一方で、チオイミダート架橋型核酸の弱酸条件下での開環、弱塩基性条件下での分子内環化はそれぞれ24時間程度要する遅い反応であることから、チオイミダート架橋型核酸をより有用なpH応答性人工核酸スイッチにするための分子設計と合成も行う。
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