2023 Fiscal Year Research-status Report
構造活性相関を指向したハイブリッド型アプリロニンAの合成と解析
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23K04938
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大好 孝幸 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90639303)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アプリロニンA / ハイブリッド / アクチン脱重合活性 / スウィンホライド / 構造活性相関 / タンパク質間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋産抗腫瘍性天然物であるアプリロニンAは二大細胞骨格タンパク質のアクチンとチューブリンとのタンパク質間相互作用を誘導し、生成したこれらの三元複合体が鍵となり、前例のない強力な抗腫瘍性を発現する。その作用形式の詳細についての研究は、天然物自身が誘導化に限界があるため、アプリロニンAを基軸とする単純な構造のハイブリッドアナログを設計することが求められていた。アプリロニンAの特異な作用機序に着目すると、アクチン脱重合部位を変換することが効率的な構造活性相関になることが考えられた。 そこで、アクチン脱重合天然物の側鎖部を参考にし、合成が容易かつ高活性なアクチン脱重合分子を創出することにした。アプリロニン類、サイトファイシン類、スウィンホライド類を参考に、いくつかの人工類縁体を合成し、アプリロニンAの側鎖部よりも強力なアクチン脱重合活性を示す化合物の創出に成功した。 さらに、アプリロニンAのマクロラクトン部の構造活性相関研究を行うにあたり、アプリロニンA-スウィンホライドAハイブリッド類縁体のの新規合成法を開発し、総工程数を従来法よりも半減させ、効率的に化合物を供給する手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たなハイブリッドとなりうる側鎖部の開発を完了したため。 また、新規合成経路を開発し、効率的に化合物を供給することを可能としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
強力なアクチン脱重合活性を示す側鎖部とのハイブリッド化を進めるとともに、スウィンホライドAとのハイブリッドを利用してマクロラクトン部の構造活性相関を実施する。
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Causes of Carryover |
計画以上に効率的に研究が進行したため、検討に必要な消耗品が必要でなかった。 実験結果は期待通りに進行しているため、令和6年度の物品費に上乗せする。
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