2023 Fiscal Year Research-status Report
Discovery of a novel anticancer drug targeting a WW domain of YAP protein
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23K04949
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田代 悦 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (00365446)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | YAP / 新規抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で着目するHippoシグナル伝達経路は細胞増殖や分化に関与するシグナル伝達経路で、Hippoシグナル伝達経路の異常は悪性中皮腫をはじめとした様々ながんで観察されている。したがって、Hippoシグナル伝達経路の中核を担うYAPが抗がん剤の標的分子として着目されている。申請者らは、YAPに結合する化合物としてNo.48を同定し、さらにNo.48がYAPの発現を著しく減少させることを見いだした。本研究では、No.48とYAPの結合様式を明らかにし、またNo.48によるYAP発現減少メカニズムを解明することを目的としている。本年度は、No.48がYAPのどのドメインに結合するのかを表面プラズモン共鳴法(SPR)を用いて明らかにするため、様々なYAP変異体コンストラクトを作製し、大腸菌から大量精製、その準備を完了した。また、No.48によるYAP発現減少メカニズムの解析については、No.48はプロテアソーム依存的なYAPの分解促進を引き起こしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通り研究は進展している。来年度以降は、研究をさらに加速させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、様々なYAP変異体を用いて、No.48が結合するYAPのドメインをSPRを用いて明らかにする。そして、No.48とYAPの結合に必要なYAPのアミノ酸配列を同定する。さらに、No.48との結合に重要なアミノ酸に変異を導入したYAPをがん細胞に発現させ、変異YAPタンパク質の発現・分解などの挙動を検討し、No.48の生物活性との整合性を評価する予定である。さらには、YAPのホモログとしてTAZが知られているため、No.48とTAZの結合を検討する。一方で、No.48の抗がん活性を検討するため、悪性中皮腫をはじめとしてYAPが活性化しているがん細胞を見つけ、No.48によるYAP阻害活性や2D培養や3D培養における増殖抑制・スフェロイド形成抑制活性や細胞郵送阻害活性などを検討し、YAPの阻害効果との関連を検討する計画である。
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Causes of Carryover |
物価高騰のため、消耗品を節約して使用したためである。 次年度は、Biacoreを用いたSPR解析をするため、その消耗品費がかさむ予定である。節約したことで生じた予算分を、SPR解析に使用する計画である。
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