2023 Fiscal Year Research-status Report
麹菌のオートファジーを介したタンパク質品質管理機構の解明
Project/Area Number |
23K05000
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
菊間 隆志 立命館大学, 生命科学部, 講師 (90553842)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 麹菌 / Aspergillus oryzae / オートファジー / ヌクレオファジー / 分泌糖タンパク質品質管理機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、麹菌の小胞体におけるタンパク質機構(ERQC)の総合的理解を目指し、選択的オートファジーの一つと考えられる、ヌクレオファジーおよびERQCオートファジーの分子機構解明を目的としている。 本年度は、新規選択的オートファジー関連タンパク質の同定を目指し、TAP法により得られた、コアオートファジータンパク質であるAtg8の麹菌オルソログAoAtg8に相互作用すると推測される候補タンパク質から、Yeast two hybrid(Y2H)法によるスクリーニングを行った。36個のタンパク質に関してY2H解析を行ったところ3個のタンパク質でAoAtg8との相互作用が確認された。これらのタンパク質の細胞内局在を観察した結果、2個のタンパク質がオートファゴソーム前駆体(preautophagosomal structure :PAS)様構造に局在し、1個のタンパク質が核様構造に局在することが明らかとなった。一方でこれらのタンパク質をコードする遺伝子の破壊株を作製し表現型解析を行ったが、野生株を比較して顕著な形質を示すものは見られなかった。一般的に糸状菌におけるバルクな非選択的オートファジーの欠損株では、顕著な気中菌糸および分生子形成阻害が観察されることから、候補タンパク質は当初の目的通り、非選択的オートファジーではなく選択的オートファジーに関与することが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、麹菌におけるヌクレオファジーおよびERQCオートファジーを含む選択的オートファジー関連タンパク質の候補タンパク質が得られた。さらに、TAP法で得られたAoAtg8相互作用タンパク質からのスクリーニングを進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、AoAtg8相互作用タンパク質からのY2H法によるスクリーニングを進め、局在解析および破壊株の表現型解析を行う予定である。また先行研究で得られたY2HによるAoAtg8相互作用タンパク質の機能解析を進めていく予定である。
|