2023 Fiscal Year Research-status Report
黒ショウガ由来ポリメトキシフラボンの骨粗鬆症予防効果の実証と構造活性相関解析
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23K05091
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西 甲介 愛媛大学, 食品健康機能研究センター, 准教授 (80578097)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | メトキシフラボン / 骨吸収 / 破骨細胞 / 骨粗鬆症 / 構造活性相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨の恒常性は骨吸収と骨形成の厳密なバランスにより維持されている。閉経や老化に伴ってこのバランスが崩れ、破骨細胞が著しく増加すると、骨吸収が過剰となる。この状態が続くと骨密度が低下して骨粗鬆症を発症し、骨折のリスクが高まる。そのため、破骨細胞の増加を抑制することは、過剰な骨吸収を予防して骨密度の低下を防ぎ、骨折リスクを低減して健康寿命を延伸するのに重要である。 これまでに水酸基を有するフラボンの破骨細胞分化抑制活性について多くの研究がなされてきた。一方、メトキシ基を有するフラボンの破骨細胞分化抑制活性についての研究は少なく、その有効性についての解析は不十分である。メトキシ基を有するフラボンは体内への吸収などに優れることから、本研究では、ポリメトキシフラボンの破骨細胞分化に及ぼす影響を評価し、フラボン構造上のメトキシ基の位置と破骨細胞分化抑制活性の相関性を解析するとともに、その作用機序の解明を試みる。 今年度はポリメトキシフラボンの破骨細胞分化抑制活性における構造活性相関を解析した。まず、0個から6個のメトキシ基を有するフラボンのライブラリーを構築し、RAW264細胞を用いたアッセイ系を用いて破骨細胞分化抑制活性を測定した。その結果、多くのメトキシフラボンは破骨細胞分化抑制活性がない、あるいは、低い破骨細胞分化抑制活性しか示さなかった。一方、わずかではあるが、特定の位置にメトキシ基を有するフラボンは強い破骨細胞分化抑制活性を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画で予定していた実験に必要なフラボンを十分量確保できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降に、最も強い破骨細胞分化抑制活性を有するメトキシフラボンを用いて、骨粗鬆症モデルマウスを用いた動物実験を実施する。
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Causes of Carryover |
当初計画よりも研究の進捗がやや遅れたため。
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