2023 Fiscal Year Research-status Report
肥満における糖類とその代謝産物が腸上皮細胞増加に及ぼす分子機構の解明
Project/Area Number |
23K05094
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 幸子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (80837550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アリフ・ウル ハサン 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00570368)
平 英一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60263240)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 砂糖入り飲料 / 糖類 / 肥満 / 小腸 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は、糖類の慢性的な摂取によって引き起こされる小腸上皮細胞への影響や、糖類の代謝機構を解明することで、肥満に対する予防的な栄養アプローチを提供することを目的としている。 【方法】マウスを水摂取群(コントロール)とスクロース飲料群に分け長期間摂取させた。その間の体重、摂餌量および飲水量を測定し、8週後には糖負荷試験を行った後、全血、小腸および大腸のサンプルを採取した。全血においては、インスリン濃度、炎症マーカー(IL-18)および肝機能バイオマーカーの測定を行った。半数の小腸サンプルは十二指腸から回腸末端までを摘出し、ロール状に巻き組織学的解析を行った。また残り半数の小腸サンプルは、十二指腸、空腸、回腸および大腸の4部位に分け、糖輸送体や炎症マーカーおよび免疫バリア機能に関するmRNA発現を確認した。 【結果】一日の摂取カロリーは二群間では同等であるにもかかわらず、スクロース飲料群の体重は有意に増加した。また、糖負荷試験ではスクロース飲料群の血糖値が有意に上昇したものの、インスリン分泌能の低下が生じていた。小腸や絨毛の長さにおいては有意差は見られなかった。小腸における糖輸送体および炎症マーカーの発現量は亢進しており、特に空腸部での発現が顕著であった。また、空腸部においては、腸のバリア機能マーカーであるMuc2の発現が減少していた。 【考察】スクロース飲料の慢性摂取が、糖の代謝を促進させ、栄養吸収力を向上させていることが示唆された。また、炎症マーカーの亢進やバリア機能の低下が引き起こされていることから、小腸の免疫力が低下していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小腸のロール切片作製が確立できたことや、小腸の部位ごとでのmRNA発現量の比較も明確に結果として表れていることから、他の糖に関しても同様の実験手技で遂行できると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、スクロース以外の糖類(グルコース、フルクトースなど)を使用した飲料を使用し、同様の実験を行う。 また、腸上皮細胞モデルを使用し糖類による影響についても検討する。
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Causes of Carryover |
本年は糞便分析を実施しなかったため、次年度に実施する。
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Research Products
(1 results)