2023 Fiscal Year Research-status Report
ダブルコンジェニックSHRSP/Izmを用いた河内晩柑果皮の脳血管障害防御機構の解析
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23K05139
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
奥山 聡 松山大学, 薬学部, 准教授 (40550380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 光業 松山大学, 薬学部, 教授 (70311404)
澤本 篤志 松山大学, 薬学部, 准教授 (70760388)
大原 浩貴 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (10609225)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | SHRSP / 脳卒中 / 抗炎症作用 / 河内晩柑 / 柑橘成分 / オーラプテン |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)に対して1%食塩水を飲料水として自由摂取させると、血圧の上昇と共に脳卒中発症までの期間が短くなる特徴がある。そこで本研究では、高濃度食塩負荷によって引き起こされる脳血管障害に対する、河内晩柑果皮粉末および河内晩柑果皮含有成分であるオーラプテン(AUR)の脳内における作用について解析を行った。 10週齢の雄性SHRSPに対し、水及び基本飼料(SP)を自由摂取させたCON群、1%食塩水及びSP飼料を摂取させたNaCl群、1%食塩水及びAUR 0.063%添加SP飼料を摂取させたAUR-L群、AUR 0.125%添加SP飼料を摂取させたAUR-H群、河内晩柑果皮粉末 2%添加SP飼料を摂取させた果皮-L群、河内晩柑果皮粉末 4%添加SP飼料を摂取させた果皮-H群の6群に分けて13週齢まで飼育し、その後解剖により脳組織を得た。 13週齢目には、NaCl群および果皮投与群で体重減少がみられたが、AUR投与群では体重減少が見られなかった。本モデル動物において脳卒中障害が顕著に認められる大脳皮質領域において、NaCl群ではミクログリアの活性化と成熟神経細胞死が認められたが、果皮群とAUR群ではミクログリアの活性化と神経細胞死が抑制されていた。このことから、河内晩柑果皮およびAURには抗炎症作用を介する脳卒中障害の防御が示唆されたが、今後さらにさまざまなパラメーターについて解析を行っていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、順調に解析を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、脳内アストロサイトの状態についても解析を行う。 またダブルコンジェニックラットに対しても、同様の実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度の消耗品購入予定に変更が生じたため。 前年度に生じた次年度使用額については、実験動物飼育費用に充てる。
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