2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K05230
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
河村 耕史 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (00595613)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | トゲ / 園芸作物 / 木本 / 遺伝子基盤 / 形態形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
薔薇(バラ)は、トゲが象徴的な園芸植物であるが、少数ながらトゲ無し品種が存在し、野生種にも日本のノイバラにトゲ無し系統がある。申請者らによる交配実験とQTL解析によって、このトゲ無し形質は単一の潜性遺伝子座に制御された遺伝形質であることがわかってきた。すなわち、トゲ形成を制御する「鍵遺伝子」が存在し、その機能が欠損したバラでトゲが無くなっていると考えられる。本研究の目的は、1000個体以上のトゲ有とトゲ無の大規模集団で遺伝的多型を調査し、Map-based cloningの要領でこの鍵遺伝子の候補を絞りこむことである。これを実現するため、本年度は、トゲなしノイバラの台木農家でサンプリング調査を行い、トゲなし個体とトゲあり個体の大規模集団のgDNAサンプルをえた。その後、QTL-seq解析、RNA-seq解析、GRAS-Di解析によってトランスクリプトームならびにゲノム情報の比較解析を実施、トゲの有無に関連する候補遺伝子を抽出した。さらに、アメリカのテキサスA&M大学を訪問し、トゲの有無が分離した交配集団を使ったQTL解析を実施し、トゲの有無を決定する鍵遺伝子の候補領域と候補遺伝子を特定した。また、トゲ無し形質の起源と考えられる中国雲南省と貴州省を訪問し、トゲ無しバラとその関連野生種の調査を行った。トゲ有りとトゲ無しの2倍体品種を交配させ、トゲの有無が分離したF1雑種集団を育成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたとおりのサンプリングと遺伝子解析が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
候補遺伝子の情報を精査し、鍵遺伝子の特定を行う。
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Causes of Carryover |
3月末から4月にかけて行った海外フィールド調査の旅費精算が次年度になったため。未使用額については、次年度の消耗品購入費に使用予定である。
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