2023 Fiscal Year Research-status Report
Characteristics of nitrogen concentrations in mountain streams in the western Japan and analysis of main cause factor by using the Random Forest Method
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23K05316
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
駒井 幸雄 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 研究員 (00446808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳地 直子 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60237071)
牧野 奏佳香 総合地球環境学研究所, 研究部, 外来研究員 (90975757)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 滋賀県 / 渓流水 / 硝酸態窒素 / 要因解析 / 窒素沈着量 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の調査実施計画に基づき、滋賀県全域の硝酸態窒素濃度の分布の現状について調査を行った。調査地点は、地形図(国土地理院)とGoogle Earth(Google LLC)を使い、採水地点の上流域に人家、事業場、田畑、砂防堰堤がなく、過去約15年間の間に皆伐がされていない178地点を選定した。採水は原則として降水がない日に行い、ポリ瓶に採った水試料はクーラーボックスに保管して持ち帰り、分析まで冷蔵保存をした。硝酸イオンは、水試料をデイスクタイプのメンブランフィルター(0.45μm)でろ過後、イオンオンクロマトグラフ法で測定し、硝酸態窒素に換算した。 硝酸態窒素濃度は0.01>~1.28 mg/Lであり、算術平均値は0.39 mg/L、幾何平均値は0.30 mg/L,中央値は0.36 mg/Lであった。硝酸態窒素が1mg/L以上の地点は178地点中4地点に過ぎず、全体の97.8%は1mg/L以下であった。相対的に濃度が高い地点は滋賀県北部と東部に多く見られ、0.01 mg/L以下の低濃度地点は南部にまとまって分布していた。滋賀県の森林域に分布する主な地質(付加コンプレックスと深成岩類)と硝酸態窒素濃度との間には一定の関係は認められず、降水量とも相関関係は認められなかった。 本調査結果を1997~2005年に國松が行った滋賀県全域の渓流水調査結果(332地点)と比較したところ、最大値や算術平均値は低くなっていた。対数正規分布型とみなせたので対数変換した値を用いて平均値の差の検定を行ったところ、1%の危険率で有意な差は認められなかった。一方、滋賀県の窒素沈着量(嶋村・茶谷)は少なくとも2000年以降は減少傾向にあるが、滋賀県全域の渓流水濃度の変化とは対応していないようであった。その原因については引き続き検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の計画に基づいて調査を行い、予定通り滋賀県全域の人為的影響を受けていない渓流水について計178地点で水試料を採水した。 pH、EC,アルカリ度およびイオンクロマト主要イオンの分析はすべて終了したが、全窒素と溶存態有機炭素の分析は2024年度に行う。 ランダムフォレストに必要な流域情報の収集は現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度研究実施計画に基づき兵庫県全域の渓流水調査を行う。調査は既に始めており2024年12月までに終了させる。水質分析は随時行い、2024年度中に全ての分析を終了する予定である。 流域情報は引き続き収集し、最終年度に実施予定のランダムフォレスト法による要因解析の準備を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、当該年度において物品費としてイオンクロマトグラフのカラムを購入予定であったが、トラブルなく使用できたことから購入を見合わせたためである。また、分析およびデータ整理は研究代表者と研究分担者が行ったのでアルバイトを雇用しなかったことによる。 次年度使用額の使用計画としては、2024年度の兵庫県の渓流水調査の旅費に充当する。
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