2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Aquaculture Management Techniques for Nori by Combined Evaluation of Electronic and Vibrational Transitions
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23K05378
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
岡本 保 木更津工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (80233378)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ノリ / スサビノリ / 光計測 / 赤外吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、FTIR(フーリエ変換赤外線分光法)測定を用いて、ノリ内分子構造に応じた吸収スペクトルのデータを取得し、それを基に光合成色素濃度を定量的に評価することが可能かどうかを検証した。 まず、アセトンに浸したスサビノリを用いてFTIR測定を行った。クロロフィル類は水に溶けにくく油に溶けやすい性質を有しており、アセトンなど有機溶媒に溶出することが知られている。そのため、アセトンに浸す時間を長くすることでクロロフィル濃度が相対的に低下していると考えられる。アセトンに浸す時間によりスペクトルが変換していることがわかった。 次に、加熱のためにお湯に浸したスサビノリのFTIR測定を行った。海苔を加熱するとフィコビリン色素が変性し、相対的にフィコビリン色素濃度が減少すると考えられる。今回の実験では、お湯の温度を変えることでフィコビリンの量を変え、その時のスペクトルの変化について調べた。お湯に浸す時間は1分である。温度によりスペクトルが変化ることがわかった。 さらに、FTIR測定用と同様の処理をおこなったノリの蛍光計測を行い、ノリ内色素の変化による蛍光の変化について調べた。加熱温度を上げると、40℃から60℃のときに580nmの点と比べて相対的に650nm~750nmの蛍光強度が減少した。また、80℃から100℃のときには600nm付近の点と比べて相対的に685nm~750nmの蛍光強度が減少した。このように加熱処理による色素濃度比の変化が蛍光計測でも観測できる可能性があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はまず、FTIR法により色素濃度比を変化させたノリの赤外吸収スペクトルを測定し、色素濃度比の変化によりスペクトルが変化するという見通しを得ることができた。そのため、おおむね計画通りに進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
FTIR法により色素濃度比を変化させたノリの赤外吸収スペクトルを測定し、色素濃度比の変化によりスペクトルが変化するという見通しを得ることができたので、今後は赤外吸収スペクトルの変化を定量的に評価する方法を検討する。また、ラマン散乱分光法を同様に適用して、色素濃度測定の可能性検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初購入を計画していた設備の波長可変光源をマルチチャンネル分光器に変更したために使用金額が計画より少なくなった。波長可変光源を用いた測定については、既存の太陽電池用分光感度測定装置を応用して測定する予定である。次年度はた研究機関の設備を利用したラマン散乱分光測定を進めるために、旅費を増額する計画である。
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