2023 Fiscal Year Research-status Report
地域特性を考慮したトキ・コウノトリと共生する里地里山地域の構築
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23K05441
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岸岡 智也 金沢大学, 先端科学・社会共創推進機構, 特任助教 (10793028)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | コウノトリ / 広域連携 / 野生復帰事業 / 環境保全型農業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の研究目的に基づいて以下のような成果を上げることができた。 コウノトリの野生復帰事業および定着における地域の取組みや課題についての現状を解明すべく、関東地方におけるコウノトリの野生復帰事業を実施、もしくは定着した地域として、千葉県野田市、埼玉県鴻巣市、栃木県小山市において2023年11月・12月に現地調査およびヒアリング調査を実施した。 千葉県野田市はコウノトリの繁殖および野生復帰の事業を行っているが、これら野生復帰の取組みはコウノトリの放鳥ありきではなく、市内の環境保全型農業を推進してきた過程でこれら取組みのシンボルとして開始されていた。また、化学農薬を削減した米は付加価値をつけて農協等での買い取りを行っているが、その多くが市内の学校において給食として消費されており、生物多様性に配慮した農産物の販路の確保という面から見たときに、一定以上の人口を擁する都市近郊の自治体であることが利点として働いていることが示唆された。また、2010年に利根川流域の5県27市町が参加する「コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム」、2014年に「関東エコロジカル・ネットワーク推進協議会」が設立されるなど、都道府県界をまたぎ複数自治体による広域連携の体制が構築されていた。 コウノトリが渡良瀬遊水地に定着した栃木県小山市では渡良瀬遊水地コウノトリ交流館が設置され、地域のNPO法人による運営により情報発信、小学校での学習活動などが行われていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では石川県能登地域を主な対象地としていたが、令和6年能登半島地震により、予定通りの研究実施が困難な部分が存在している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では石川県能登地域を主な対象地としていたが、令和6年能登半島地震により、予定通りの研究実施が困難な部分が発生することが予想される。そのためもう一つの主要な対象地としてしていた島根県出雲市での調査研究を重点的に実施することで目的の達成を目指す。
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Causes of Carryover |
1月に発生した令和6年能登半島地震での被災により、研究を十分に進めることができなかった。2024年度は他の調査対象地である島根県出雲市での調査の回数が増加するため、調査旅費として使用する計画である。
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